「重要事項説明書」と「売買契約書」、どこを見る? 契約後に後悔しないチェックポイント | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
「重要事項説明書」と「売買契約書」、どこを見る? 契約後に後悔しないチェックポイント
2026-09-11

不動産を購入する際、契約前に必ず説明を受ける「重要事項説明書」と、その後に取り交わす「売買契約書」。いずれも専門用語が並ぶ分厚い書類ですが、記載内容によっては契約後のトラブルにつながる可能性も少なくありません。この記事では、両者の記載内容と、契約前に必ず押さえておきたいチェックポイントを解説します。

売主に対して購入申し込みを行ない、承諾を得ることができたら、売買契約を締結する前段階として「重要事項説明」を受けます。重要事項説明とは、平たく言うと売買契約の対象不動産の商品説明みたいなものです。
不動産というのは、見た目だけではわからない事情がいろいろとあるものです。そうした事情を事前に買主にしっかり説明して、本当に売買契約を締結していいのか検討するための判断材料にしてもらおうということです。
重要事項説明は原則として書面を交付して行なわれますが、2022年5月施行の宅建業法改正により、買主の承諾があれば電磁的方法による電子交付が可能となりました。また、テレビ会議システム等を用いたIT重説は、これに先立ち売買取引でも2021年4月から本格運用されています。重要事項説明書の記載事項は次のとおりです。
不動産購入時の「重要事項説明書」の記載事項(例)

1. 登記された権利の内容
2. 法令上の制限
3. 私道に関する負担に関する事項
4. 都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限
5. 飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況
6. 当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造等
7. 当該建物が既存の建物であるときは、次に掲げる事項①建物状況調査を実施しているかどうか、及び実施している場合における結果の概要②設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるもの、の保存の状況
8. 代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的
9. 契約の解除に関する事項
10. 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
11. 手付金等の保全措置の概要(宅建業者が自ら売主となる取引の場合に限る)
12. 支払金又は預り金を受領しようとする場合において、保全措置を講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
13. 代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあっせんの内容及び当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置
14. 当該宅地又は建物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結その他の措置で国土交通省令・内閣府令で定めるものを講ずるかどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその措置の概要
15. 宅地造成等工事規制区域・特定盛土等規制区域内にあるときはその旨
16. 造成宅地防災区域内にあるときはその旨
17. 土砂災害警戒区域内にあるときはその旨
18. 宅地又は建物が津波防災地域づくりに関する法律により指定された津波災害警戒区域内にあるときは、その旨(宅地建物取引業法施行規則16条の4の3第3号)
19. 宅地又は建物が津波災害特別警戒区域内にあるときは、その旨も合わせて記載
20. 水防法の規定による図面(水害ハザードマップ)に当該宅地又は建物の位置が表示されているときは、当該図面における当該宅地又は建物の所在地
21. 当該建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、その内容
22. 当該建物が建築物の耐震改修の促進に関する法律上の耐震診断を受けたものであるときは、その内容(昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものは除く)
23. 当該建物が住宅性能評価を受けた新築住宅であるときは、その旨
24. 割賦販売契約の場合、1.現金販売価格 2.割賦販売価格 3.宅地又は建物の引渡しまでに支払う金銭の額及び賦払金の額並びにその支払の時期及び方法
※なお、マンション(区分所有建物)の売買では、上記に加えて敷地に関する権利や共用部分の規約、修繕積立金の額、管理の委託先などが説明対象となります。また2026年4月1日以降は、マンション管理業者が管理組合の管理者を兼ねる「管理業者管理者方式」を採用している場合、その旨の説明も義務づけられています。
チェックしたいポイント
1. 登記された権利の内容
所在地、土地の面積、建物の構造、築年数など、物件の基礎的な情報が正確に記載されているか確認しましょう。とくに区分所有のケースでは、課税の基準になる登記簿面積を確認します。マンションの場合、登記簿面積は広告上の面積より少なくなるケースがあります(壁芯面積と内法面積)。登記簿面積が50㎡未満だと、登録免許税や不動産取得税の軽減措置が受けられません(住宅ローン控除については、一定の新築住宅等で40㎡以上に緩和される特例があります)。
土地や建物に抵当権などの権利設定がないか、また、共有持分がある場合はその割合などを確認しましょう。抵当権などの設定がある場合は、売買金額で抹消が可能であるか、引き渡しまでに抹消が可能かを確認します。
2. 法令上の制限 3. 私道に関する負担に関する事項 4. 都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限
用途地域、建ぺい率、容積率など、その土地で建てられる建物の制限について確認しましょう。将来的に建物を建て替えたり、増改築したりする際に制限がないかなども確認しておきたいところです。開発計画などが予定されている場合、その影響についても確認しておくとよいでしょう。私道に関する負担については、私道の掘削承諾や通行の可否、私道持分の有無、負担金の発生条件などを確認してください。私道に接する物件は、将来の建て替えや工事の際に第三者の承諾が必要になるケースがあるため注意が必要です。
9. 契約の解除に関する事項
どのような理由で契約解除ができるのか、契約解除の原因によってどのような形での解除になるのか、その際の手付金の扱いや違約金の有無、などについて確認します。その上でどの程度のリスクがあるのかを理解しましょう。詳しくは売買契約書の解除に関する事項でも確かめることができます。
22. 当該建物が建築物の耐震改修の促進に関する法律上の耐震診断を受けたものであるときは、その内容
昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた建物を新耐震基準と呼ぶのに対して、昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた建物を旧耐震基準と呼んでいます。一般に新耐震基準の方が耐震性は高く設計されていますが、旧耐震基準のケースで耐震診断を受けたものはその結果を確認しましょう。なお、重要事項説明の対象となるかどうかは「新築工事の着手日」が基準となります。

重要事項説明の内容に納得し、購入の意思が固まったら正式に売買契約を締結します。売買契約書については重要事項説明書と違って、宅地建物取引士による説明が法律上、義務づけられているわけではありませんが、通常は内容の読み合わせを行ないます。
営業スタッフが契約書の内容を読み上げてくれるので、不明な点があったら質問して、しっかりと内容を理解するようにしてください。
以下、売買契約書の主な注意点をご紹介します。
手付解除
買主が売主に手付金を交付している場合、相手が契約の履行に着手するまでは、買主は交付している手付金を放棄して、売主は手付金の倍額を現実に提供して、当該売買契約を解除することができます。
引渡し前の滅失・損傷
売買契約の目的となる不動産が天災地変その他、売主または買主のいずれの責めにも帰すことのできない事由によって滅失したときは、買主は売買代金の支払いを拒むことができ、当該売買契約を解除することができます。また、滅失ではなく損傷にとどまる場合は、売主が修補して引き渡すものとし、修補が困難なときや過大な費用を要するときは買主が契約を解除できる、といった取り決めをするのが一般的です。
債務不履行による解除
売主または買主は、相手方が契約に定める債務を履行しないときは、相当の期間を定めて催告をし、相当期間内に履行がされない場合には契約を解除することができます。
融資が承認されない場合の解除(ローン特約)
買主が融資を利用して不動産を購入しようとする場合に、一定の期日までに金融機関からの融資の承認が得られない場合には、売買契約を無条件解除することができます。
この場合、売主に交付済みの手付金は、そのまま買主に返還されることになります。なお、この条項を契約の内容としたい場合には、購入申込書を提出する時点で売主にその旨を伝えておかなければなりません。一般にローン特約と呼ぶことがあります。
契約内容不適合責任
引き渡された不動産が、重大な故障個所があるなど、契約の内容に適合しないときには、買主は売主に対し、修補などの追完請求、代金減額請求、契約の解除をすることができます。これらは売主に責めがあるかどうかを問わず行使できますが、損害賠償請求については、その不適合が売主の責めに帰すべき事由によるものである場合に限られます(民法415条)。なお代金減額請求は、原則としてまず追完の催告を行う必要があります(民法563条1項)。
※これは2020年4月施行の民法改正により「瑕疵担保責任」に代わって導入された「契約不適合責任」の制度です。
その他、物件によって境界確定や埋設物に関する取り決め、所有者が複数になっているケースでの一体契約(すべての所有者との売買成立が決済条件)など物件の性質によって個別に取り決めが必要な項目が出てくることがあります。
重要事項説明書、及び売買契約書についてチェックポイントなどを解説してきました。重要事項説明書は、不動産購入における重要な書類です。契約前にしっかりと内容を確認し、説明内容がわからなければ、遠慮なく質問しましょう。とくに、法律用語や専門用語は、わかりやすく説明してもらうようにしてください。
また、ご自身の目で物件を確認することも大切です。現地に足を運んで、周辺環境や建物の状態などを確認することをおすすめします。
この内容は一般的な情報であり、個々のケースに必ずしも当てはまるとは限りません。不動産購入に関する最終的な判断は、ご自身で行ってください。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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