セルフリフォームでコストカット① ~1棟アパート・マンションの管理術~ | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
セルフリフォームでコストカット① ~1棟アパート・マンションの管理術~
2026-08-24

アパートやマンションの賃貸運営管理をしていると、入退去時を中心にリフォームのタイミングがたびたび訪れます。すべてを管理会社に任せている場合、リフォーム業者が施工し、費用はそのまま大家負担になっているケースが多いのではないでしょうか。1件あたりの差額は数万円でも、入退去のたびに積み重なれば年間で数十万円、規模の大きい物件では100万円単位の利益差になります。
そこで今回は、「維持管理のコストを減らしてキャッシュフローを改善するために、できそうなリフォームは自分でやる!」をテーマに解説していきます。
円安基調や地政学リスクの高まりによるエネルギー価格の上昇などの影響で、ほとんどの物価が上昇しています。建築関係のコストも例外ではないどころか、その影響を大きく受けています。とくに2026年に入ってからは、ホルムズ海峡をめぐる米国とイランの軍事的緊張から原油の供給不安が強まり、原油価格が高騰する局面もありました。
世界的な資材需要の増加や森林資源の保護政策も重なり、木材をはじめとする建築資材の価格は高止まりしたまま下がる気配はありません。石油製品の価格高騰は運送費にも影響を与え、輸送コストの増加が続いています。
さらに原材料費だけではなく、作業費用も高騰しています。人手不足と職人の高齢化に加え、2024年に本格施行された時間外労働の上限規制(建設業のいわゆる「2024年問題」)により、残業規制で工期が延びやすくなったことも影響し、現場の稼働と人件費の両面でコスト増が続いています。今後もリフォームにかかるコストは上がることはあっても、下がることはなさそうです。
屋根や外壁、電気関係など大がかりで専門性の高いリフォームは専門業者に任せるしかありませんが、自分でもできるリフォームは意外にたくさんあります。ちょっとした取り換えや補修といった小さなリフォームでも、積み重なると100万円単位で差額が出ます。できることはセルフリフォームでまかない、入居者付けを後押しし、安定した経営を維持していきましょう。
障子・網戸張替えは自宅でも行っている方は少なくないと思います。初めての方も、賃貸物件だけでなくご自宅でも活かせるスキルなので、この機会にマスターしておくことをおすすめします。
障子紙も網戸も、100円ショップなら安く手に入ります。量によりますが、ホームセンターでも数千円で手に入るでしょう。必要な工具類はカッター、押さえ用のゴム、ワンタッチローラーで、どれも100円単位で購入できるため、セルフリフォームでは1部屋あたりおおよそ3,000円以内で済んでしまいます。なお、網戸や障子は、事前にまとめて外して枠を清掃しておくと、張り替え作業効率があがります。
障子・網戸の張り替えポイント
障子
1. 雑巾で既存の障子紙を濡らし、剥ぎ取ります。紙が剥ぎ取れない場合は、水洗いします。
2. 枠の角と交差部分は、しっかり糊を付けます。
3. カッターガイドがあると障子をカットする際に便利です。
4. 貼り終わったら、障子に霧吹きをすると、紙は乾燥により収縮してピンと張れます。
網戸
1. 網をサッシより少し大きめにカットし、サッシと網を大型クリップで固定すると作業しやすいでしょう。
2. 押さえゴムを溝に押し込んでいく際に便利なワンタッチローラーは、100円ショップでも購入できます。作業効率が上がるので、購入必須のアイテムといえます。

クロス(壁紙)が損傷することは少ないのですが、経年により汚れているクロスは塗装することでよみがえります。クロスの張り替えはプロの施工業者に依頼する方が多く、費用も掛かりますが、塗装ならリフォーム初心者でも取り組みやすい作業です。
一方、クロスの張り替えは工程が多くスキルも必要になります。あくまで塗装がおすすめですが、どうしても張り替えが必要な場合、最近はホームセンターで初心者向けの商品がそろっているため一人で対応できないことはありません。

塗装の場合は、塗料が落ちて汚れるのを防ぐために養生がとても大事です。養生とは、建築・リフォームなどの作業中に、壁や天井など作業の対象物の周辺を汚損や傷から保護する目的で行う作業です。このケースでは、おもに床(フロア)部分の養生が必要になるため、ブルーシートやマスキングテープを用意しましょう。
マスキングテープは塗りたくない部分や境界線を覆うために使用します。テープが剥がれたり緩んだりすると塗料が漏れて仕上がりが雑になることがあるため、しっかりと貼り付けることがポイントです。天井との境目や壁の周りをマスキングテープでカバーし、コンセントや窓も忘れずに養生します。養生ができてしまえば、塗ること自体はそれほど難しくありません。
塗料は素材やカラーなどさまざまな種類がありますが、ホームセンターで購入できます。5㎡あたり2〜3,000円ほどで買えますので、業者に依頼するよりもかなりコストダウンできます。ビニール壁紙用の耐水性や耐久性のある塗料が適しているでしょう。

また、塗装前にホコリを除去するなど下地を整えることが重要です。塗る際はローラーとハケ、小筆の3点を用意しておくとたいへん便利です。塗装しにくいコーナー(角)を始めに小筆とハケで塗ってしまえば、あとは一気にローラーで塗ることができます。
部屋全体を塗装する場合
部屋全体を塗装する場合は、万が一、塗料が付着しても構わないように天井・壁・床と高いところから順番に施工すると効率的です。色付きの塗料を使うときは2度、3度塗りをすれば、きれいに仕上がります。
マスキングは、塗料が固まる前に剥がすと簡単に剥がせます。塗料が固まってしまった場合は、マスキングでクロスを剥がしてしまう場合があるため、ゆっくり慎重に剥がす必要があります。
クロス塗装のポイント
1. 下地処理と養生、マスキングをしっかり行います。塗料は沈殿している可能性があるので、よく混ぜてから塗る。
2. ローラーで塗りにくいコーナーの部分はハケや小筆を使って先に塗っておくと効率的。
3. クロスが剥がれていたり、破れている部分に塗装すると、クロスを剥がしにくくなりますので、その場合は塗装ではなくクロス張り替えを行うべき。
4. 小さな凸凹の多い壁紙は、ペンキを希釈量いっぱいまで薄めてから下塗りすると、奥のほうまで入りやすくなる。逆に、ペンキを薄めずに無理やり押し込もうとするとムラが出る。
5. 使用する塗料によって乾燥時間が異なる。一般的には数時間から一晩なので、重ね塗りや養生を外すには十分乾燥するまで待つ。
中古・築古の物件のフローリングや木枠は経年によりキズや汚れ、剥げているケースが多く見受けられます。クリーニングしても見栄えがよくなることはありません。また、他の木部についても、キズや汚れが目立つ場合が多いです。そのような場合も塗装により解消できます。
塗装する色は好みで決めて構いませんが、濃い色で塗ることでキズや凹みが目立たなくなります。木部の補修シール(シーリング材)などは、ホームセンターで1,000円以内で購入できるものがほとんどです。

塗装はコストパフォーマンスが高い
マスキングをしっかり行い、塗装部位によりローラーやハケを選択して塗装してください。クロス塗装など他のリフォームがある場合は一連のリフォームの最終工程で行いますが、作業前後で見違えるほどイメージがよくなります。中古物件には欠かせないコストパフォーマンスが高いリフォームです。ぜひ試してください。
フローリング・木部塗装のポイント
1. 塗装面の汚れ、油分などを除去してきれいにする。
2. 塗装は顔料が沈殿しているので、十分に混ぜてから確認する。
3. まわりに塗料がつかないように、マスキングをしっかり行う。
4. 一度塗装してムラがある場合には、二度塗りするときれいに仕上がる。
住宅設備で劣化が早いのが水回りや照明などの器具類です。ただし、中古・築古物件を購入して設備をすべて交換すると、リフォーム費用が高額になってしまいますのでバランスを取るようにしてください。
取り付け簡単な設備を新品に交換してイメージアップ
対策として設備の一部を新品に交換することにより、イメージを一新します。たとえば浴室・ユニットバスのシャワーヘッドや照明、蛇口などは、クリーニングしても汚れや劣化が落ちない場合、清潔感を出すために交換をおすすめします。取り外し、取り付けが比較的簡単なものをセレクトしましょう。

シャワーヘッド、照明、蛇口など、ほとんどの器具はホームセンターで購入できます。それぞれ価格帯はバラバラですが、業者に依頼すると、器具ごと異なる専門業者を手配することになり、コストパフォーマンスがかなり悪くなります。
取り付けが容易で、入居付けの切り札になる商品として混合水栓があります。とくに女性は水回りを気にしますので、キッチン混合水栓やシャワー付き混合水栓が交換されているとたいへん喜ばれます。
トイレの温水洗浄便座については、入居希望者が以前の住まいで使用していたものを持参し、取り付けを希望するケースもあります。賃貸の条件として希望があるときなど、状況に応じて対応するほうが得策です。
設備交換のポイント
1. 交換前に古い部材の型番やサイズをホームセンターに持参する。
2. 適合するかどうか店舗スタッフに相談してから購入する。
次回(セルフリフォームでコストカット②)は、外回りやカッティングシートの活用で管理コストダウンの方法を見ていきます。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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