【2026年4月施行】「改正マンション建替円滑化法」とは? 築古マンションの資産価値を見直す新制度のポイントをわかりやすく解説! | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産

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【2026年4月施行】「改正マンション建替円滑化法」とは? 築古マンションの資産価値を見直す新制度のポイントをわかりやすく解説!

2026-06-22

老朽化が進むマンションの建て替えを希望しているものの、「他の区分所有者の賛同が得られない」「法的な手続きが複雑だ」と二の足を踏んでいる投資家も多いのではないでしょうか。
そんな悩みを抱える人のために制定されたのが、「マンション建替円滑化法」です。マンションの建て替えにまつわる手続きや規則を定めたこの法律を活用することで、マンションの区分所有者や管理組合は法令に従って建て替えや改修を進め、資産価値の維持・向上を目指しやすくなります。
本記事では、マンション建替円滑化法の概要に加え、2026年4月に施行された改正ポイントを詳しく解説します。築古物件の資産価値向上や出口戦略を有利に進めるための指針として、ぜひ参考にしてください。

「旧マンション建替円滑化法」はマンションの建て替えを円滑に進めるための法律

「旧マンション建替円滑化法(正式名称:マンションの建替え等の円滑化に関する法律)」は、その名のとおり、マンションの建て替えを円滑に進めるための法律です。
法人格を有するマンション建替組合の設立や権利変換手続きによる関係権利の変換などの措置を通じて、マンションの建て替えを円滑化することを目的としており、2002年6月に制定されました。その後、法改正に伴って、2026年4月1日からマンション再生円滑化法(マンションの再生等の円滑化に関する法律)へと名称が変更されています(詳細は後述します)。
まずはマンション建替円滑化法で規定されたおもな内容を見ていきましょう。

  • マンションの建て替えを円滑に進めるためのさまざまな手続きや方法
  • 建て替えに賛成する区分所有者からなるマンションを建て替えるための団体(マンション建替組合)が建て替えを進めるときの手続き
  • マンションを所有する権利などを建て替え後のマンションに移す仕組み
  • マンションが老朽化して、火災や地震のときに安全でなくなるなど、住宅として不適当なマンションの建て替えを促すために公共団体がかかわる仕組み
※出典:マンション再生協議会「マンション建替え円滑化法の概要

 

「マンション建替円滑化法」制定の背景にあったのは建て替えを促す制度的枠組みの欠如

マンション建替円滑化法が制定された背景にあるのは、建て替えを促す制度的枠組みの欠如があります。
円滑化法が制定されるまで、建て替えを進める団体の法的位置付けや運営ルールが不明確で、意思決定や契約行為などを円滑にできない状況にありました。また、区分所有権や抵当権などの関係権利を、再建したマンションに円滑に移行させるための法的な仕組みがないことも問題視されていました。
こうした制度的欠落を補うために制定されたのが、円滑化法です。円滑化法の制定により、法人格を持つ建替組合の設立や権利変換手続きによる関係権利の処理など、建て替えの処理方法が明確になりました。さらに、建替決議後の事業実施のための手立ても制度化されています。

「マンション建替円滑化法」の概要

マンション建替円滑化法の要点は、次の6つです。

  • マンション建替組合の設立
  • マンションの区分所有権などを建て替え後のマンションに移す「権利変換」
  • 組合による権利の買い取り
  • 組合による一括登記
  • 危険なマンションの建て替え
  • 要除却認定制度

それぞれ解説するため、参考にしてください。

マンション建替組合の設立

区分所有法に基づく建替決議がされた場合に、建て替えに合意した区分所有者は都道府県知事の認可を受けて、法人格を持つマンション建替組合を設立できます(第9条)。
建替組合内には、建て替えに関する重要な事項を意思決定する総会や建替組合の業務の執行に関する意思決定をする理事会などが設けられます。実務的な業務の処理を担う事務局が設置される場合もあります。
建替組合が担う業務は、法人としての工事の契約や必要な資金の借入などです。これらの業務について建替組合は集会での多数決に基づいて決定し、実行していきます。

マンションの区分所有権などを建て替え後のマンションに移す「権利変換」

マンション建替組合は総会の決議(5分の4以上)に基づいて権利変換計画を定めた後、都道府県知事の認可を受け、認可を受けた計画に従い、区分所有権や抵当権などの関係権利を再建されたマンションに円滑に移行できます(第57条〜第78条)。
この手続きは、事業施行前後の権利変動の内容を定めた計画の認可・公告などにより、土地・建物に関する権利を一斉に移行させる権利変換といいます。権利変換を行うと、建て替え前のマンションを取り壊した後もそれぞれの組合員の区分所有権などを消滅させず、建て替え後のマンションに移行可能です。

組合による権利の買い取り

マンション建替組合は、建替決議に反対した区分所有者に対して区分所有権などを時価で売り渡すことを請求できます(第15条)。
マンションの建て替えでは、区分所有権などを引き続き所有した住民がいる一方、建て替えを機に、権利を手放したいと考える住民も少なくありません。この点、区分所有権や敷地利用権の買い取り請求権は、建て替え後の権利を不要とする住民にとって有益な仕組みといえます。

組合による一括登記

マンション建替円滑化法では、建替組合は建て替えに必要な登記を一括でできます(第93条)。
マンションの建て替えでは、権利変換が発生するため、住民は本来、複雑で数多くの登記をしなければなりません。しかし、組合による一括登記により、住民は建て替えに伴う再登記の手続きを簡略化、登記に関する煩雑さを回避できます。

公的関与による事業の適正な実施の確保

都道府県知事や市町村長は、建替組合や個人施行者に対して技術的な援助や監督を実施することで、事業の適正な実施の確保を支援できます(第97条〜第101条)。
具体的に都道府県知事や市町村長は、マンション建替事業の施行の準備または施行のために、マンション建替事業の専門的知識を有する職員を通じた技術的援助を実施できます。また、建替組合の施行するマンション建替生事業が権利変換計画に違反すると認めるときは、組合の事業または会計の状況を検査可能です。

「マンション建替円滑化法」によるマンション建て替えの流れ

マンション建替円滑化法によるマンション建て替えの流れは次のとおりです。

  • 区分所有法による建替決議
  • マンション建替組合の設立
  • 権利変換計画の作成
  • 権利の変換(権利変換期日)
  • 建替工事の実施
  • 建て替え後のマンションへ入居
  • マンション建替組合の解散

上記の流れのうち、最も難航しやすいのが、区分所有法による建替決議です。
国土交通省の「マンションの建替えに向けた合意形成に関するマニュアル」によれば、建替決議をするまでには、次のプロセスを順当に進めることが大切だとされます。

  • 建て替えの提起のための検討を行う「準備段階」:区分所有者の有志が集まり、建て替えの提起のための基礎的な検討・勉強を行う
  • 建替構想の検討を行う「検討段階」:管理組合が、建て替えの構想や修繕・改修との比較を含めた建て替えの必要性についての検討を行う
  • 建替計画を策定する「計画段階」:管理組合が区分所有者の合意形成を図りながら、建替計画の策定を行う

計画段階で開催される管理組合の集会で、建替計画を前提とした建替決議がされれば、建替事業に着手することになります。
上記マニュアルには、建替決議までの詳しい進め方が記載されているため、参考にしてください。

【2026年改正】「マンション建替円滑化法」改正内容のポイント

2026年4月に施行された改正マンション建替円滑化法のポイントは、次の5つです。

  • 「マンション再生法」に名称変更
  • 新たな再生手法の創設
  • 新たな再生手法に対する事業手続の整備
  • 隣接地等の権利を区分所有権に権利変換できる仕組みの導入
  • 高さ制限の特例追加

それぞれ詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

「マンション再生法」に名称変更

マンション建替円滑化法の名称は、2026年4月1日から、「マンションの再生等の円滑化に関する法律」(マンション再生円滑化法)に変更されました。
この変更は、単なる名称変更ではありません。マンション再生円滑化法には、区分所有法の改正に伴い創設された一棟リノベーションや建物の取り壊しなど、新たな再生手法が安定的に事業遂行できるよう、新たな再生手法に対応した事業手続きが整備されました。

新たな再生手法の創設

マンション建替円滑化法との関連が深い改正区分所有法では、建て替えや改修といった従来の手法に加えて、次のような新たな再生手法が創設されました。

新たな再生手法 内容
建物・敷地の一括売却 マンションと敷地を一括で売却したうえで、区分所有者などに分配金・補償金を配分することを多数決で決められる制度です。制度自体は以前からありましたが、区分所有法改正によって、建物・敷地の一括売却についても、建て替えと同様に多数決決議で実施できる仕組みが整備されました。
一棟リノベーション 基礎や柱といった構造部分を残しつつ、躯体の補強と全専有部分の改良を図る手法です。区分所有法改正によって、新たに規定されました。
建物の取り壊し マンションの除却のみを行う事業です。マンションが危険な状態にあるなど除却の必要性が高い場合に、選択される手法とされます。区分所有法改正によって、新たに規定されました。

これらの再生手法は、多数決決議(原則として区分所有者および議決権の5分の4以上の賛成が必要。売却系の決議では、敷地利用権の持分価格も要件となる場合があります)を経て、所定の手続きに沿って進めることができます。ただし、耐震性不足等の場合は4分の3、政令指定災害による被災の場合は3分の2に緩和される場合があります。

新たな再生手法に対する事業手続の整備

法改正に伴い、新たな再生手法に対応する事業手続が整備されました。具体的には、次のとおりです。

事業手続 事業手続の内容
各再生手法に応じた組合の設立 各再生手法に応じ、事業を進めるための組合です。建て替え・更新などではマンション再生組合、売却ではマンション等売却組合が設立される場合があります。取り壊しのみを行うマンション除却事業についても、組合設立の認可手続きなどが整備されています。
権利変換計画 建て替え・更新などでは、既存マンションの権利を建て替え後のマンションに移行するための計画です。売却や取り壊しなどでは、分配金取得計画や補償金支払計画などが用いられます。
分配金取得計画 組合員が取得することになる分配金や借家権者などに対して支払われる補償金の価額、権利消滅期日などを定めた計画です。
賃貸借の終了請求 建て替えに伴い専有部分の賃借人に補償したり、賃貸借契約を終了したりする仕組みです。

隣接地等の権利を区分所有権に権利変換できる仕組みの導入

法改正に伴い、隣接地の所有権や借地権、底地権を、建て替え・再建後のマンションの区分所有権に権利変換できる仕組みが導入されました。
この仕組みの導入により、マンション建て替えに際して隣接地の所有者との合意形成がしやすくなります。

高さ制限の特例追加

耐震性が不足しているマンションを建て替え・更新をする場合は、特定の条件を満たすと、特定行政庁の許可を受けて高さ制限を緩和できる特例が追加されました。特例を適用するための条件は、次のとおりです。

  • 要除却等認定マンションの建て替え・更新
  • 敷地面積(500㎡以上など)
  • 周辺の市街地環境を踏まえ、特定行政庁が許可したもの
※出典:国土交通省住宅局、法務省民事局「マンション管理・再生の円滑化等のための改正法

この特例により、要除却等認定マンションの建て替え・更新において、特定行政庁の許可を受けた場合には、高さ制限が緩和される可能性があります。高さ制限の緩和により保留床(権利者が権利変換計画によって取得した床以外の部分)を確保しやすくなれば、区分所有者の負担軽減につながると期待されています。

まとめ

マンション建替円滑化法は、「マンション再生円滑化法」への改正によって、区分所有法改正に対応した事業手続きが整備されました。これにより、これまで建て替えや改修が難しかったマンションにも新しい可能性が広がると考えられます。
しかし、マンションの建て替えに際して、区分所有者の多くから合意を得るのは依然として難しいことに変わりありません。そのため、建て替えを希望するマンションの物件オーナーは、ほかの区分所有者や管理組合と協議を重ねながら、慎重に手続きを進めていくことが大切です。
「保有物件の最適な再生手法を知りたい」「建て替えか売却か迷っている」という方は、まずは信頼できる不動産会社へご相談ください。

 
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