「事業用地」の活用とは? メリットから見つけ出す手順、相談先まで、企業の土地取得を成功させる全知識 | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
「事業用地」の活用とは? メリットから見つけ出す手順、相談先まで、企業の土地取得を成功させる全知識
2026-05-18

事業拡大を目的として、新たに事業用地の獲得を検討しているものの、購入後の活用方法や選定基準について決めかねている企業の経営者は少なくありません。
そこで本記事では、工場や倉庫など、事業用地の主な活用方法について説明します。最適な土地を見極めるための実務的な手順や相談先までを網羅した、自社の成長を支える「基盤づくり」の指針として、ぜひ参考にしてください。

事業用地は、所有者が個人か法人かを問わず、収益を得る目的で利用・所有される不動産です。具体的には、オフィスや店舗、研究施設、配送センターなどに活用するための土地が該当します。
事業用地に分類されるのは、法人が事業活動の展開を目的として所有する土地だけではありません。投資目的の賃貸マンションが建っている土地も、事業用地に含まれます。
なお、個人の居住を目的とした建物が建つ土地は、事業用地に含まれません。一方、会社の従業員が住む寮は、企業の事業運営に直接関与するため、事業用地として区分されます。
居住用の土地の違い:初期費用や消費税額など
事業用地は居住用の土地と比べて、初期費用が高くなる傾向があります。不特定多数が出入りし、傷みやすいことから、それに応じて最初に支払う賃料や仲介手数料が高くなるためです。
また、購入する際に発生する、造成や測量、建物解体、インフラ引き込みなどにかかる費用も、初期費用を底上げする要因となっています。
居住用建物の賃料は原則として課税されない一方で、事業用地に建つ事業用建物の賃料には消費税がかかります。そのため、自宅で事業を営んでいる場合は、事業用として使用している部分に課税される点に注意が必要です。なお、土地のみの貸借の場合は、居住用・事業用を問わず原則非課税となります。
事業用地に建つ建物の賃貸借に際して課税されるのは、賃料だけではありません。初期費用のうち、敷金など返還されるものを除く金額に対しても消費税が課税されます。
貸主目線で事業用地を所有するメリットには、まずキャッシュフローの安定化が挙げられます。事業用地はリース契約が複数年単位になるケースが多いことから、貸主にあたら不動産の所有者は安定した収入を得られるためです。
実際、倉庫物件は一般的に3年〜10年のリース契約が交わされるほか、土地を貸す場合も最短で10年、長ければ50年の安定契約を交わす場合もあります。賃貸借契約には中途解約条項が含まれるケースが多いものの、事業用地は基本的に長期契約につながりやすいといえるでしょう。
また、事業用地は貸すことで相続税や固定資産税、都市計画税などの節税効果が期待できます。節税効果を期待できるのは、事業用地の運用で生じた減価償却費などの赤字を、本業の利益(個人の場合は給与所得など)と相殺(損益通算)でき、課税所得を減らせるためです。
ローン金利や管理委託手数料など、多くの費用を経費計上できる点も、事業用地が節税効果を期待できる要因の一つとなっています。
商業地や工業地といった事業用地の地価は、三大都市圏を中心に上昇しています。
実際、国土交通省の令和8年地価公示の概要によれば、商業地の平均変動率は東京圏が前年比9.3%増で5年連続の上昇、大阪圏が同7.3%増で4年連続の上昇、名古屋圏が同3.3%増で5年連続の上昇でした。地方圏のうち、地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)の平均変動率も好調で、同6.4%増と13年連続で上昇しました。
また、工業地の平均変動率は東京圏が同6.8%増で13年連続の上昇、大阪圏が同8.1%増の11年連続の上昇、名古屋圏が3.7%増の5年連続の上昇でした。地方圏のうち、地方四市の平均変動率も商業地と同じく好調で、同8.0%増と13年連続で上昇しました。

主な事業用地の活用方法には、次の5つがあります。
- 工場
- 倉庫
- 資材置き場
- 駐車場
- 建て貸し
工場
工場は製品を製造・加工するための施設であり、事業用地のスタンダードな活用方法の一つです。
事業用地を工場として活用することで、地域の雇用が創出され、地域経済の活発化に寄与できます。また、事業用地が工場団地などであれば、関連企業との連携が容易になるため、利害関係者に対しても経済的にプラスの影響を与えられます。
しかし、住宅地が近いと、騒音や振動によって近隣住民との間で騒音トラブルが生じるおそれがあります。また、設備投資が高額であるため、失敗すれば多額の負債を抱える点もデメリットです。
倉庫
倉庫は、インターネット通販の普及によって、需要が増加している活用方法の一つです。
事業用地を倉庫として活用するメリットには、コストが低い、物流拠点として恒常的な需要が見込めるといった点が挙げられます。しかし、物流効率は立地条件に左右されるため、場所選びを誤ると赤字になりやすいといえるでしょう。
また、事業用地に倉庫を建てて他人の物品を預かる事業(営業倉庫)を行う際は、倉庫業法の要件を満たさなければなりません。倉庫業法に基づく要件は次のとおりです。
- 土地が制限を受けていないこと
- 倉庫の施設設備基準を満たしていること
- 倉庫管理主任者を選任すること
- 申請者が欠格事由に該当しないこと
資材置き場
資材置き場は建設工事や土木工事に使用する資材を保管する場所であり、建設業者や製造業者などからのニーズがあります。
事業用地を資材置き場として活用するメリットは、建物を建設する必要がないことから、初期費用やランニングコストを大幅に抑えられる点です。ただし、資材の種類によっては、盗難や臭気ガス発生、劣化などのリスクがあるため、資材置き場は資材管理に注意しなければならないデメリットがあるといえるでしょう。
駐車場
駐車場は、交通量の多い都市部や首都圏近郊での需要が高い活用方法です。
この方法は、1台でも車を停めるスペースがあれば始められるため、事業として着手するハードルが低い点がメリットといえます。また、周辺に観光地やターミナル駅があれば、高収益が期待できます。
ただし、駐車場は収益率が突出して高いといえないため、事前に綿密な市場調査を必要とする点がデメリットといえるでしょう。
建て貸し
建て貸しは、土地の所有者がその土地に建物を建設し、建物ごと貸すことです。
法人に対して長期で建て貸しをする場合は、「定期建物賃貸借契約(定期借家契約)」が用いられるのが一般的です。
定期建物賃貸借契約は、存続期間に制限がなく、あらかじめ定めた契約期間の満了とともに確実に契約が終了する契約形態です。そのため、法人に建て貸しをする際、10年や20年といった長期契約を結ぶことで、安定した収益を得られるでしょう。

適切な事業用地は、次の手順に沿って進めていきます。
- 用途地域に沿ってエリアを絞る
- 土地や建物の立地条件を確認する
- 土地の規制やインフラの整備の状況を確認する
- 現地確認を行う
用途地域に沿ってエリアを絞る
まずは用途地域に沿ってエリアを絞りましょう。
用途地域とは、住居や商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めたものです。用途の混在を防ぐことを目的としており、13種類があります。
事業用地のうえに建てる建物が用途地域とマッチしなければ、希望とする建物を建てられません。たとえば、大規模な工場を建てられる用途地域は、原則として「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」などに限られます。
他方、営業倉庫を建築できる用途地域は、「準住居地域」「近隣商業地域」など6種類となっています。
このように事業用地がどの用途地域にあるかによって、どんな建物を建てられるかが決まるため、注意が必要です。
土地や建物の立地条件を確認する
ある程度の事業用地の目星がついた後は、事業を行ううえでの諸条件である立地条件を確認しましょう。たとえば、工場を建てる際の立地条件は次のとおりです。
- ビールや高級アパレル産業、化粧品などを扱う工場を建てる場合は、消費者に近い場所に立地しているか
- セメント工場や鉄鋼業の工場を建てる場合は、原料の産地近くに立地しているか
- 繊維産業やプラスチック加工業の工場を建てる場合は、労働力を確保しやすい場所に立地しているか
- 鉄鋼業や造船業の工場を建てる場合は、港の近くに立地しているか
土地の規制やインフラの整備の状況を確認する
立地条件だけでなく、土地の規制やインフラの整備の状況についても確認することが大切です。
土地の規制については市区町村によって異なりますが、原則として用途地域ごとに規定されています。たとえば、墨田区の建ぺい率と容積率の制限については、次のとおりです。
| 用途地域等 | 指定建蔽率 | 防火地域内で耐火建築物の場合 | 条件にあう角敷地等の場合 | 左の2条件を同時に満たす場合 |
|---|---|---|---|---|
| 第一種住居地域 準工業地域 工業地域 |
60% | 70% | 70% | 80% |
| 準工業地域 近隣商業地域 商業地域 |
80% | 制限なし | 90% | 制限なし |
| 準工業地域(準防火地域内で新たな防火規制区域) | 80% | 建築基準法第53条第6項の場合制限なし | 90% | 建築基準法第53条第6項の場合制限なし |
後者のインフラの整備状況については、電気・ガス・水道がきちんと整備されているかです。整備されていない場合は各種引き込み工事が必要で、多くの費用がかかることになります。
現地確認を行う
最終的には、必ず現地確認を行いましょう。現地確認を行うことで、書面ではわからない土地の境界や建物の構造など、専門的な知識を必要とする問題を事前に把握できるためです。
現地調査で調べるべき内容については、次のとおりです。
- 土地・建物の状況:土地の形状や外構、隣地との越境などを確認します。
- 周辺環境:物件周辺の生活環境や交通アクセスについて確認します。
- 境界標識:地図や図面上で確認した情報をもとに、現地で境界標識を探します。
- 地勢の確認:平坦地や傾斜地など、地勢を確認します。
- 前面道路の確認:前面道路の幅員や道路の舗装・未舗装、側溝の有無について確認します。

事業用地に関する相談先には、次の4つがあります。
- 不動産業者
- 専門コンサルティングファーム
- 弁護士・税理士
- 自治体
相談先に困った方は上記選択肢から適切な相談先を選びましょう。
不動産業者
不動産業者は、事業用地の売買や賃貸に関する専門知識と実績があるプロです。具体的な事業用地のイメージがある場合は相談するとよいでしょう。
不動産業者は、ネットワークを生かした売買・賃貸物件の情報提供と仲介、契約相手方との契約交渉をサポートしてくれます。事業者によっては関連する許認可申請の支援も受けられます。
専門コンサルティングファーム
専門コンサルティングファームは、土地の特性や地域のニーズに合わせた最適な事業用地の活用プランを提案してくれます。経営戦略の根幹から事業用地の活用について考えたい方は、相談するとよいでしょう。
専用コンサルティングファームは、CRE戦略の策定や事業用地活用後の財務分析、購入や賃貸など複数の選択肢の客観的な比較評価をサポートしてくれます。
弁護士・税理士
事業用地の売買・賃貸に際して法律や税務に関する専門的なアドバイスが必要な場合は、弁護士や税理士に相談しましょう。
弁護士は、土地の権利関係や契約書の作成、法律トラブルの解決などで、専門的な知識を提供しサポートしてくれます。また、税理士は土地を売買・賃貸した後に生じうる税務上の問題を解決し、最適な節税対策も提案してくれるでしょう。
いずれにしても、法的・税務的なリスクが危惧される場合は、弁護士や税理士に相談することをおすすめします。
自治体
特定地域への進出を検討しており、事業用地の売買・賃貸に際して公的な支援制度を活用したい場合は、事業用地が立地する自治体に相談するとよいでしょう。
自治体は地域の工業団地や企業誘致に関する情報を提供してくれるほか、補助金や税制優遇といった優遇制度を案内してくれます。
事業用地の取得は、企業の未来を左右する重大な経営判断の一つです。それだけに、経営戦略や財務戦略に基づき、慎重かつ緻密に取り組む必要があります。
事業用地の選定を成功に導くカギは、まず自社の目的を明確にすることに他なりません。そのうえで、信頼の置けるパートナーと連携し、多角的な視点からリスクとリターンを評価することが不可欠です。
本記事の内容をひとつの指標とし、さらなる飛躍につながる最良の地を手にされることを願っています。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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