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環境価値が高い「環境不動産」とは? 賃料アップと資産価値向上を実現する評価指標と最新トレンド

2026-03-25

 

不動産投資に取り組む物件オーナーにとって、保有する既存の物件の価値を高めることは至上命題です。一方、どのような投資施策が物件の価値向上に寄与するのか、迷っている方も少なくありません。

そんな物件オーナーにおすすめしたいのが、環境価値の高い「環境不動産」です。環境不動産は、省エネルギーな設計構造や再生可能エネルギーの導入などにより、環境性能が高く安心安全で良好なマネジメントが施されている不動産を指します。省エネルギーによるコスト削減や資産価値の向上といったメリットがあり、近年注目を集めています。

本記事では、環境不動産の定義から具体的な評価指標、そして最新の採択事例までを網羅して解説します。なぜ今、世界中の投資家が「環境性能」を重視しているのか。その理由を紐解くことで、時代に選ばれ、次世代へと価値を繋ぐ「負けない不動産経営」のヒントが見えてくるはずです。

環境不動産は環境価値の高い建築物

公的な定義はありませんが、環境不動産は、設計や構造、設備、素材などの面で、環境への負担軽減を意識した、持続可能で、環境価値の高い建築物を意味します。日本政策投資銀行(DBJ)のDBJ Green Building認証や、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)で高評価を受けた不動産は、環境不動産に分類されうるとされています。

環境不動産の特徴:高いエネルギー効率や資源の持続可能な利用など

環境不動産には、エネルギー効率の向上や資源の持続可能な利用といった環境対策が講じられているという特徴があります。

たとえば、エネルギー効率の向上では、断熱性能の高い建材を使用することで、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる室内環境を整備し、冷暖房のエネルギー消費の削減が図られています。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーが積極的に活用され、サステナブルな電力供給システムが構築されているのも特徴です。

環境不動産に講じられている環境対策は、これだけではありません。都市のヒートアイランド現象の軽減を目的とした建物の周囲や屋上の緑化、自然と調和した建築デザインの採用といった環境保護対策も取られる場合もあります。

注目されている背景にある環境不動産の高付加価値化

環境不動産に注目が集まっている背景には、環境不動産の高付加価値化があります。

実際、日本不動産研究所が実施した調査によれば、有効回答128社のうち、全体の80.4%が、「ESG投資(*1)に適した不動産の賃料収入は、そうでない不動産に比べてどの程度の違いがあるか」という問いに対し、10年後には、賃料が高くなると回答しています。

(*1) ESG投資:従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)要素も考慮した投資

※出典:一般財団法人日本不動産研究所「第52回不動産投資家調査(2025年4月現在)特別アンケート(Ⅱ)

また、「ESG投資に適した不動産は、そうでない不動産に比べて、期待利回りはどの程度違いがあるか」という問いに対しては、有効回答131社のうち、全体の76.4%が、10年後に期待利回りが上昇すると回答しました。

※出典:一般財団法人日本不動産研究所「第52回不動産投資家調査(2025年4月現在)特別アンケート(Ⅱ)

このように、環境不動産は投資価値が高い点で注目が集まっています。こうした注目度の高まりに比例して不動産としての資産価値も今後高まっていくと考えられるでしょう。環境への配慮は単なる出費ではなく、資産価値を維持するための先行投資です。将来の売却価格に直結する世界基準のスタンダードとして、今から備えておくことの重要性をぜひ覚えておいてください。

各国で使われている環境不動産の具体的な評価指標

世界各国で使われている環境不動産の具体的な評価指標には、次のようなものがあります。

  • CASBEE(キャスビー|建築環境総合性能評価システム):日本
  • LEED(リード|環境性能評価システム):米国
  • BREEAM(ブリーム|英国建築研究所環境評価手法):英国
  • HQE(高環境品質認証):フランス

それぞれ解説するため、参考にしてください。

CASBEE:日本

CASBEEは、建築物や街区、都市などに関わる環境性能をさまざまな視点から総合的に評価するためのツールです。国土交通省住宅局の支援のもと、産学官共同プロジェクトの一環として開発されました。

CASBEEは、おもに次の5種類に分けられます。

1. CASBEE建築(新築):新築建物が対象で、戸建住宅を除くすべての用途に適用可能
2. CASBEE戸建:戸建住宅が対象
3. CASBEE不動産:竣工後1年以上経過した既存建築物が対象
4. CASBEEウェルネスオフィス:オフィスビルが対象
5. CASBEE街区:単体建築物に限定されない一つの建築群が対象

また、CASBEEは次の3つの評価基準を用いて評価されます。

1. 「建築物の環境品質(Q)」と「建築物の環境負荷(L)」の両側面からの評価
2. 「エネルギー消費」「資源循環」「地域環境」「室内環境」の4主要分野
3. 環境効率の考え方を用いて新たに開発された評価指標「BEE(建築物の環境効率、Building Environmental Efficiency)」

これらの評価基準を経て、CASBEE認証を取得した企業は、助成金制度や金融支援、税制優遇などのメリットを受けられる場合があります。

なお、日本国内では、CASBEEのほかに、生物多様性に配慮した緑地づくりなどに取り組む工場やオフィスビルなどを評価・認証するABINCがあります。ABINC(エービンク|いきもの共生事業認証)は一般社団法人いきもの共生事業推進協議会が運営しており、1年に2回審査があるのが特徴です。

LEED:米国

LEEDは、建築や都市の環境を対象にした環境性能評価システムです。非営利団体のU.S.Green Building Council(米国グリーンビルディング協会)が1996年に開発し、Green Business Certification Inc(グリーン・ビジネス認定協会)が第三者機関として認証の審査を行っています。

LEEDの評価項目には、次の9つのカテゴリーがあります。

1. 総合的プロセス
2. 立地と交通
3. サステナブルな敷地
4. 水の効率的な利用
5. エネルギーと大気
6. 材料と資源
7. 室内環境品質
8. イノベーション
9. 地域における重要項目

LEED認証を受けるためには、各評価カテゴリーの必須項目を達成する必要があります。また、必須項目とは別に加点項目が設けられており、必須項目と加点項目を合わせたポイントの合計によって認証のレベル(認証、シルバー、ゴールド、プラチナ)が決まります。

米国では、LEEDのほかに、新築・既存のオフィスビルを対象にしたBOMA360(ボーマ360)や、計画の初期段階から設計、施工、運用、管理段階まで、プロジェクト全体が評価対象のSITES(サイツ)といった環境認証制度があります。

BREEAM:英国

BREEAMは、英国建築研究所BRE(Building Research Establishment)と、エネルギー・環境コンサルタントのECD(Energy and Environment)によって1990年に開発された世界初の環境値評価システムです。新築、既存、改修いずれのフェーズに適用でき、対象用途も住宅から大規模開発までほとんどの建物をカバーしています。

有効期限はin-use(既存)で3年間となっている一方、New Construction(新築)ではとくに定められていません。

BREEAMの評価項目には、次の10のカテゴリーが用意されています。

1. エネルギー
2. 健康と快適性
3. イノベーション
4. 土地利用
5. 材料
6. 監理
7. 汚染
8. 交通
9. 廃棄物
10. 水

これらのカテゴリーごとのポイントに重み係数を掛けることで合計点が集計されます。認証レベルは、Pass(合格)からOutstanding(非常に素晴らしい)の5段階です。目指す認証レベルによってクリアすべき最低基準が設けられている評価項目があります。

HQE:フランス

HQE(Haute Qualité Environnementale)は、HQE Associationが提供している不動産の環境価値評価基準です。提供開始が1996年当時、認証制度はありませんでしたが、2004年から認証制度が開始されました。

HQEの評価対象は、「環境に配慮した建築」「環境に配慮したマネジメント」「快適性」「健康」の4つとなっています。

環境不動産の持つメリット

環境不動産の持つメリットには、次の3つがあります。

  • 省エネルギーによるコスト削減
  • 資産価値の向上
  • 環境の質改善によるオフィス利用者のウェルネス向上

環境不動産の購入を検討されている方はご参考にしてください。

省エネルギーによるコスト削減

環境不動産には、省エネルギーによるコスト削減というメリットがあります。たとえば、再生可能エネルギーを導入すると、日々の光熱費を大幅に削減することが可能です。

また、断熱性能が高い建材や省エネ設備を利用することで、建物の劣化が抑えられ、維持管理費が低減します。

資産価値の向上

環境不動産は、エコ意識の高い顧客からの需要が高いため、資産価値が向上しやすい傾向にあります。

この傾向を学術的な観点から日本で初めて明らかにしたのが、吉田らの研究です。吉田らは、2005年1月から9月までの東京都における新築マンション売り出し価格と取引価格を用いて、東京都マンション環境性能表示の違いが価格の高低と結びついているかをヘドニック分析(*2)で検証しました。

分析の結果、環境性能のある物件の価格は表示のない物件よりも募集価格で4.7%高く、取引価格で3.9%高いことが判明しています。

(*2)ヘドニック分析:不動産価格と環境性能の相関性を表す式を仮定し、不動産価格と環境性能のデータから、パラメータを推計し、統計的な視点から式が有意であるかを検証する分析

環境の質改善によるオフィス利用者のウェルネス向上

環境不動産は、環境の質改善によるオフィス利用者のウェルネス向上というメリットがあります。

具体的に換気システムの改良や自然素材の使用により、室内の空気の質を向上させ、健康に良い環境を提供することが可能です。また、自然光や通風を取り入れた室内設計により、快適な室温が維持され、利用者の体調不良も防ぎやすくなるでしょう。

環境不動産の具体例

環境不動産の具体例には、次の3つがあります。

  • 三井住友銀行九段プロジェクト:自然の光・風・緑をつなぐ開閉可変型のステップ・ダブルスキン
  • 仙台市役所新本庁舎:卓越風を取り込みやすい分節された平面による1フロアで完結した自然通風
  • 労働金庫会館:中温冷水を活用した高効率システム

いずれも国土交通省が実施する2024年度の「サステナブル建築物等先導事業」における採択事例です。これらは大規模プロジェクトの例ですが、その技術や考え方は、一般の賃貸物件の改修や設備更新にも応用できるヒントが詰まっていますので、ぜひ参考にしてください。

三井住友銀行九段プロジェクト:自然の光・風・緑をつなぐ開閉可変型のステップ・ダブルスキン

※出典:国立研究開発法人建築研究所、一般社団法人日本サステナブル建築協会「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)令和6年度における採択事例の技術紹介

三井住友銀行が九段下駅近くに建設中の超高層ビルの新設プロジェクト「三井住友銀行九段プロジェクト」では、より自然取り込み型・空間多様型のダブルスキン(*3)が構築されました。

建物内側に近いガラスにあたるインナースキンには、特殊金属膜でコーティングしたエコガラスと自然換気口を設置。一方、アウタースキンには、透明なフロートガラスを採用したほか、常開の自然通風のスリット窓や、頂部と袖壁部の開閉可能型換気口が設置されました。さらに、建物内部に通気性に優れた庇(ひさし)や電動ブラインドも設置されました。

これらの組み合わせにより、貫流熱と日射熱が大幅に低減され、自然の風も積極的に取り込むことが可能になりました。夏期と冬期で日射熱の排熱・取得のモード切り替えも可能になっています。

(*3 )ダブルスキン:内外二重のガラス間に対流による外気を通すシステムのファサード

仙台市役所新本庁舎:卓越風を取り込みやすい分節された平面による1フロアで完結した自然通風

※出典:国立研究開発法人建築研究所、一般社団法人日本サステナブル建築協会「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)令和6年度における採択事例の技術紹介

仙台市役所新本庁舎では、吹抜けを設けずに、北北西方向に向けて吹く卓越風(*4)を取り込みやすい分節された平面形状により、1フロアで完結したシンプルなシステムが構築されました。

ダクト内を流れる空気の量を調節する通風ダンパには、ピトー管式センサーを付属することで、通過風速が一定になるようにダンパ開度を自動制御。結果、外部風速の影響を最小限に抑えながら一定風量の外気を取り込み、安定した自然通風が実現されました。

(*4) 卓越風:特定の地方と特定の期間で吹く、最も頻度が高い風向の風

労働金庫会館:中温冷水を活用した高効率システム

※出典:国立研究開発法人建築研究所、一般社団法人日本サステナブル建築協会「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)令和6年度における採択事例の技術紹介

労働金庫連合会の本部機能を備える労働金庫会館の新築工事では、空調機器はすべて中温仕様とし、熱源の送水温度を高めたことで、高効率な運転が実現されました。

ヒートタイプ型の太陽集熱器は、夏季にデシカント外調機の再熱、中間期に再熱とともに自然換気促進用のヒーターとして活用。冬季には暖房熱源としたことで、年間を通じて太陽熱を徹底的に活用する設計としています。

まとめ

環境不動産は、設計や構造、設備などの面で、環境への負担軽減を取り入れた、環境価値の高い建築物です。不動産の環境性能は建築物自体の性能を判断する主要な基準になりつつあるなか、環境不動産を所有、取得することで、不動産投資で成功する確率が上がる可能性があります。

商業用不動産を含めて、賃貸経営に取り組んでいる物件オーナーのみなさまは、不動産投資の経営戦略として環境不動産の購入や、既存物件の環境不動産化をぜひご検討ください。

 
私たちリタ不動産は、全国の不動産投資・収益物件(投資物件・収益不動産)を取り扱う不動産会社です。社名の『リタ』は「利他の精神」「自利利他」から名付けられたもの。その背景には、自分の利益を最優先するのではなく、お客さまの利益を最優先としたサポートや提案を行うというスタンスがあります。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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