収益物件の詳細なリスク把握を可能にする不動産「デューデリジェンス」とは? | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
収益物件の詳細なリスク把握を可能にする不動産「デューデリジェンス」とは?
2026-03-23

「一棟物件や大型物件の購入を検討しているものの、資産価値や目に見えない瑕疵など、潜在的なリスクが心配だ…」
不動産投資規模の拡大にあたり、このような不安を抱いている不動産投資家は少なくありません。そこでリスクに敏感な不動産投資家におすすめなのが、不動産デューデリジェンス(以下、不動産DD)です。
不動産DDは、不動産取引において対象不動産の価値やリスクを明確にするために実施する詳細かつ多角的な調査・評価です。不動産DDを実施することで、的確な投資判断ができるようになるほか、不動産取引のリスクを低減することもできます。
本記事では、物理・法務・経済の3軸から、不動産DDの具体的なチェックポイントと実務の裏側を詳しく解説します。
重要事項説明書だけでは決して見えてこない「物件の真実」をどう引き出すか。その本質的な手法を知ることは、一棟物件や大型案件特有の致命的な地雷を避け、投資判断の精度を圧倒的に高めることにつながります。中長期の収益を守り抜くための「実益あるガイド」として、ぜひご活用ください。

不動産DDは、物件購入を検討している買主が、物件に対して行う調査です。不動産DDを実施することで、買主は高値掴みや物件の瑕疵といったリスクを回避でき、安心して不動産を購入できるようになります。
一般的な不動産取引では、買主は実際に物件を内覧したり、宅地建物取引業者から提示される重要事項説明書を確認したりすることで、物件購入を決定します。
しかし、これらの情報だけでは、物件の詳細なリスクについては把握できません。実際、重要事項説明書の内容は、法令などによって範囲が限定されています。また不動産業者が実施する調査についても、対象不動産の種別・類型に応じた詳細な調査が行われてきたとは言えませんでした。
このような問題を解消するために実施するのが、不動産DDです。不動産DDにより、不動産の現状やリスクを把握することで適正な取引価額の算出やリスクの検討が可能になります。
不動産デューデリジェンスの目的:外観から見えないリスクの発見
不動産DDの目的は、おもに外観から見えない不動産に潜むリスクを発見し、リスクを投資意思決定に反映させることです。不動産DDによって発見しうるリスクは次のようなものがあります。
| 当初予定した賃料収入が入らないリスク | 投資時にすぐに決まると言われていた空室の入居者(テナント)がいつまでも決まらなかったり、退去者の続出により賃料減額に応じざるを得なかったりすることで、当初の予定よりも実際の賃料収入が大幅に少なくなってしまうリスク |
|---|---|
| 当初予定よりも経費が多くかかり、経費差引後の純収入が予定より少なくなるリスク | 修繕費が予想外にかかったり、設備機器の更新時期が立て続けに到来して交換費用が毎年のように必要になったりすることで、不動産収入から経費を差し引いた手残りが予想外に少なくなるリスク |
| 相続税軽減を狙って不動産投資を行ったが効果が出ないリスク | 建物の貸家評価、土地の貸家建付地及び小規模住宅などの評価減効果を利用した相続税軽減を狙って不動産投資をしたが、実際の相続税の減額効果がわずかしかないリスク |
| 売買代金決済にまで至らずに不動産投資ができないリスク | 投資不動産の抵当権について、抵当権者の抹消同意が得られない、抵当権者との同意交渉が遅れて借入資金の融資実行が必要な期日までに抹消書類の準備が整わずに売買代金の決済ができないリスク |
| 売却損により、所有期間の通算利回りが激減するリスク | 売却価格が投資価額を下回る売却損が大きくなることで所有期間中の利回りが高くても、通算利回りが大きく目減りしてしまうリスク |
| 地震や火災、損害賠償などに関するリスク | 耐震性、耐火性が低いために災害により建物が損失するリスク。消防用設備などに不備があれば損失に加えて損害賠償のリスクも発生する |
不動産デューデリジェンスを実施するタイミング:資金決済前
不動産取引に際して不動産DDを実施するタイミングは、対象物件の購入における決済をする直前です。
資金決済前に他者所有の不動産を対象にDDを行う場合は、現所有者である売主の協力が不可欠です。協力を得られなければ精度の高いDDを行えないため、事前の調整が重要となるでしょう。
不動産デューデリジェンスの所要期間:1カ月程度
不動産DDの所要期間は対象となる不動産の立地や規模などによって異なりますが、調査着手から報告書作成まで1カ月が一般的です。
ただし、対象不動産の調査項目が多岐にわたる場合は、1カ月以上の期間を要する場合があります。

不動産DDにおける調査は次の3つに分かれます。
- 物理的状況調査:対象不動産の現状やリスクなどを調査
- 法的調査:権利関係や現在の契約状況などを調査
- 経済的調査:対象不動産の資産価値などを調査
不動産DDでは、買主の依頼を受けて専門の建築士や不動産鑑定士、建物管理会社などが上記3つの調査を行います。それぞれ解説するため、参考にしてください。
物理的状況調査:対象不動産の現状やリスクなどを調査
| 物理的状況調査 | ||
|---|---|---|
| 土地の状況調査 | ①所在地、地積等 ②境界 ③埋蔵物等 ④地質地盤 |
登記簿、公図等による調査 境界確定の状況、紛争の有無、越境物の有無とその状況、紛争・越境是正の方法・期間・費用等 埋蔵文化財等の有無 地盤の強度や土質、沿革等 |
| 建物の状況調査 | ①建築・設備・仕様 ②遵法性 ③修繕・更新費用 ④耐震性・地震PML評価 ⑤管理状況 ⑥再調達価格 |
築年数、構造、規模、貸付床の面積・形状・間取り、設備・仕様、意匠、設計・施工業者等 都市計画法、建築基準法、各種条例、消防法等の遵法状況 修繕状況調査、短期修繕費用、長期修繕費用見積もり 新耐震基準への適合性チェック、地震リスク分析とPML値、営業中断期間算出 建物管理状況の良否、管理規約の有無・内容、管理会社の質・信用等 現在、建て直した場合の建築費用算出 |
| 環境調査 | ①アスベスト等 ②土壌、地下水汚染等 ③周辺環境への影響 |
アスベスト・フロン・PCB等の有害物質の含有状況 重金属や有機塩素化合物による土壌汚染、地下水汚染の状況 周辺の日照、電波障害などの影響 |
物理的状況調査では、対象不動産の土地、建物、環境の現況やリスクなどが調査されます。
具体的に調査される項目は、土地の状況調査であれば境界確定の状況や埋蔵文化財の有無、地盤の強度、建物の状況調査であれば建物の築年数や法令の遵法状況、耐震性などです。環境調査では、有害物質の含有状況や地下水汚染の状況、周辺の日照などの影響が調べられます。
物理的状況調査は、不動産DDで最も重要な調査です。不動産の買主は物理的状況調査の結果をもとに、今後発生する管理コストや修繕コストを予測するほか、具体的な取引価額を検討します。
法的調査:権利関係や現在の契約状況などを調査
| 法的調査 | ①権利関係 ②賃貸借契約関係 ③占有関係 ④売買契約等 |
登記簿等による所有権、抵当権などの調査。共有、区分所有、借地物件など権利関係が複雑な物件はより慎重に調査 契約形態、契約内容、賃料、期間など 占有状況 売買契約等各種契約書のチェック |
|---|
法的調査では、現在の権利関係や賃貸借契約関係、占有関係のほか、各種契約書のチェックが行われます。
具体的に調査される項目は、売主が対象物件を処分する権利・権限を有しているか、信託契約、借地契約の内容、対象物件をめぐって訴訟などが提起されていないかなどです。また、建築基準法や消防法といった関係法令の違反がないかも調査されます。
経済的調査:対象不動産の資産価値などを調査
| 経済的調査 | ||
|---|---|---|
| テナント調査 | ①個別テナント ②テナントの構成 |
業種、信用情報、賃料支払い状況、賃借目的、稼働率と賃料推移、契約形態、契約内容、承継の有無等 業種、テナント数、各テナントの占有割合、分布割合 |
| 市場調査 | ①一般的要因 ②地域要因 ③市場動向 ④個別要因(立地特性) |
不動産市況に影響を与える経済的状況 商圏分析、産業構造分析等 周辺の市場賃料、稼働率、競合物件、開発計画、テナントの需給動向 街路の状況、交通アクセス、利便施設等の配置、周辺の土地利用状況、日照・眺望・景観、地域の評判・知名度等 |
| 収益調査 | ①賃貸収入 ②運営支出 ③その他 |
過去の稼働率、賃料推移及び将来の見通し、適正賃料の査定、テナント誘致に関する競争力等 修繕契約との比較による修繕費用積み立て状況、過去の費用水準、費用関連の契約体系及び更新の可能性、適正費用水準、将来予想される費用負担の可能性 将来の物件売却の競争力等 |
経済的調査では、時価公示価格や実例価額、国税庁が公表する相続税路線価、固定資産税路線価などをもとに、対象不動産の実勢価格が算出されます。
経済的調査では、ただ実勢価格を算出するだけではありません。近隣の不動産市況や今後の開発計画などをもとに、実勢価格の変動が予測されます。
このほかにも、商業施設であればテナント調査や収益調査が行われます。
物理的状況調査と法的調査、経済的調査の結果をまとめたのが、総合評価です。総合評価では、不動産の保有リスクや収益性、税効果などが定量的、定性的に可視化されます。

収益不動産の購入を検討している企業が不動産DDを実施する流れは次のとおりです。
- 調査チームを組成する
- 売主と秘密保持契約を締結する
- 事前準備を進める
- 調査を実施する
- 報告書を作成する
個人投資家が不動産DDを実施する際も、上記の流れと大きく変わりません。ぜひ参考にしてください。
調査チームを組成する
まずは、不動産DDを実施するための専門チームを社内で発足させます。社内に専門知識を持つ社員がいなければ、外部の専門家に協力を求めることが望ましいでしょう。
不動産DDでは、法的調査や経済的調査だけでなく、土地や建物についての分析が欠かせません。そのため、外部の一級建築士や不動産鑑定士などもチームに入ってもらいましょう。
売主と秘密保持契約を締結する
不動産DDの実施に先立ち、売主と秘密保持契約を締結します。購入を検討する不動産の詳細な情報を売主から提供してもらう必要があるためです。また秘密保持契約には、不動産の購入を進めていることを競合に漏らすことを防ぐ目的があります。
いずれにせよ、売主が提供する情報には、機密情報や個人情報も含まれます。そのため、情報提供を受ける前に、必ず売主と秘密保持契約を締結しましょう。
事前準備を進める
不動産DDの実施前に、チームメンバーで集まって事前準備をする必要があります。
事前準備の段階で決める必要があるのは、次の項目です。
- 調査項目とその優先順位
- 売主から取得した現時点の情報の確認
- 調査方法の確認と調査日時の調整
このうち、重要なのは調査項目の優先順位付けです。費用と日程が限られているなかで、すべての項目の調査は不可能だからです。
そのため、不動産DDの実施に際しては、調査項目の重要度を付けたうえで優先度の高い項目から調査していきましょう。
調査を実施する
事前準備ができたら実際の調査を実施します。
不動産DDで実施するのは、秘密保持契約締結後に売主から入手した資料の精査や分析だけではありません。建築士や不動産鑑定士など専門家を交えた現地調査も実施します。
現地調査で確認するのは、外観や経年劣化の程度、境界、周辺環境などです。資料の精査や現地調査の結果、必要であれば、売主への聞き取り調査も行うとよいでしょう。
報告書を作成する
調査が終了した後は、社内外の担当者や専門家に調査結果を報告書にまとめてもらいます。
報告書を書面にまとめてもらったら、調査した不動産が買収に値するかを協議しましょう。話し合いの結果、受け取った調査内容だけでは判断できない場合は、追加調査に踏み切ることも大切です。
また、不動産DDにより新たな問題点が明らかになった場合は、売主に該当の問題点について意見を聞いたり、解決策を要求したりしましょう。
不動産DDは、不動産投資の成功を実現するうえで重要な調査です。不動産DDを実施することで、不動産取引のリスクが減るだけでなく、不動産投資家の皆さんは正しい投資判断を下せるようになるでしょう。
しかしながら、有効性の高い不動産DDを実施するためには、一級建築士や不動産鑑定士といった建築、不動産の専門家だけでなく、弁護士や税理士など法務、税務の専門家の協力を得ることが大切です。このような専門家との協力体制を築いている不動産会社に相談することで、意義のある不動産DDを実施できるでしょう。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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