マンションで民泊運営はできる? メリット・デメリット、始めるまでの流れ | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
マンションで民泊運営はできる? メリット・デメリット、始めるまでの流れ
2026-03-06

近年、首都圏を中心にマンションでの民泊開業を検討している不動産投資家が増えています。
しかし、管理規約で民泊運営を禁止しているマンションも多いことから、「マンションでの民泊開業は現実的なのか」といった疑問や不安を抱えている投資家も少なくありません。
そこで本記事では、マンションでの民泊開業を成功させるための法的条件から、投資効率を最大化するメリット、そして特有の地雷を避けるための留意点までを詳しく解説します。
単なる賃貸経営とは異なる「民泊」というスキームをどう活かし、いかに高収益なポートフォリオを構築するか。開業までの実務フローを網羅した「戦略的ガイド」として、次の一手を見極める判断材料にご活用ください。

マンションでの民泊運営は条件を満たせば可能です。
ここでいう条件とは、住宅宿泊事業法に基づく居住要件を指します。居住要件は、具体的に次のとおりです。
- 現に人の生活の本拠として使用されている家屋
- 入居者の募集が行われている家屋
- 随時その所有者、賃借人または転借人の居住の用に供されている家屋
これらの要件のいずれかに該当し、事業用として使用されていないマンションは、居住要件を満たす住宅になります。
設備要件と居住要件を満たしているのであれば、住戸ごとに届出することも、マンション全体で1つの届出をすることも可能です。
ただし、マンションでの民泊運営で留意すべきポイントは、分譲マンションか賃貸マンションかによって異なります。
分譲マンションは管理規約に用途制限があるかどうかがカギ
分譲マンションでの民泊運営は、管理規約に用途制限の条項があるかどうかがカギとなります。
たとえば、管理規約に「専有部分は専ら住宅として使用するものとする」といった用途制限の条項があれば、マンションの一室での民泊運営はできません。用途制限の条項がない場合でも、民泊を検討している場合は、管理組合の理事会に事前に相談しましょう。
賃貸マンションは賃貸借契約の内容が重要
賃貸マンションでの民泊運営は、賃貸借契約の内容を確認しましょう。
契約書で民泊が禁止されていない、あるいは民泊に関する規定がない場合でも、賃貸人から、民泊運営に対する承諾を得る必要があります。また、「賃貸人が承諾したことを証する書類」を届出時に提出しなければなりません。
条例で民泊運営が制限されている場合がある
マンションの管理規約や賃貸借契約書における要件をクリアしても、条例で民泊運営が禁止されている場合があります。 たとえば、兵庫県芦屋市では、条例の規定により、すべての期間で民泊を行えません。また、兵庫県は、条例により、以下の地域について、すべての期間で民泊運営を不可としています。
1. 小・中・高等学校・幼稚園並びに認定こども園、保育所等児童福祉施設及び図書館等社会教育施設などの周辺100m以内(下記ア〜ウに規定する施設)
・ ア 旅館業法第3条第3項
・ イ 旅館業法施行条例第8条
・ ウ 知事が指定する施設
2. 住居専用地域・田園住居地域
都市計画法第8条第1項第1号に掲げる第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、 第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、田園住居地域
3. 景観地区
景観法第61条第1項に規定
※住宅等建築物や塀など工作物などの建築の際、形態意匠について市町の認定が必要な地区で県下では芦屋市(市内全域)のみ
このように自治体によっては特定エリアでの禁止措置のほか、年間「180日」以内という営業日数の制限があるため、事前に調べておくことが大切です。

マンションで民泊運営するメリットには、次の3つがあります。
- 安定した収入を得られやすい
- 好立地により集客に困りにくい
- 初期費用を抑えやすい
メリットを把握すれば、マンションでの民泊運営に踏み出しやすくなります。ぜひ参考にしてください。
安定した収入を得られやすい
マンションでの民泊運営は、安定した収入を得やすい傾向にあります。マンションの立地は古民家や戸建てよりも良いうえに、法人利用や長期滞在者のニーズに応えられる室内設備やサービスを整えれば、リピーターを獲得しやすいためです。
また、同じマンション内で複数の部屋を民泊として運営すれば、入退室の管理や清掃の効率性が高まり、運営コストを削減しながら利益を伸ばせるでしょう。
好立地により集客に困りにくい
マンションは都市部や観光地といった好立地に位置しているケースが多いため、民泊運営で集客に困りにくいメリットがあります。
とくに京阪神や首都圏に位置するマンションは観光名所やビジネスエリアへのアクセスが抜群のため、民泊仲介サイトに物件を掲載すれば、ゲストが殺到するでしょう。
初期費用を抑えやすい
マンションでの民泊運営は、古民家や戸建てなどと比べて初期費用を抑えやすい傾向にあります。多くのマンションには、キッチンやバスルーム、家具がすでに備わっていることから、大掛かりな設備投資やリフォームが不要なためです。
また、マンションはフロントやエレベーターといった共用部の管理が行き届いている物件が少なくありません。そのため、外構や設備の維持費がそもそも発生しないか、低コストに抑えることが可能です。

マンションで民泊運営するデメリットには、次の3つがあります。
- 近隣住民とトラブルになりやすい
- 大規模なリノベーションが難しい
- 管理規約で民泊が禁止されている場合が多い
デメリットはいわば、民泊運営上の課題ともいえます。解消すれば、民泊運営の成功確率が上がるため、ぜひ参考にしてください。
近隣住民とトラブルになりやすい
マンションはさまざまな人が集う集合住宅であることから、近隣住民とのトラブルが起こりやすい傾向にあります。
最も起きやすいトラブルが騒音問題です。民泊用のマンションでは、深夜のパーティーや廊下での大声での会話など、文化や騒音に対する感覚の相違から、騒音トラブルが後を絶ちません。
騒音トラブルをはじめ、トラブルが積み重なると、管理組合から民泊運営の停止を求められたり、近隣住民との関係悪化により長期的な運営を断念せざるを得なくなったりする場合があります。こうした事態を招かないために、運営当初から住民に配慮したり、運営体制を整えたりすることが大切です。
大規模なリノベーションが難しい
マンションは区分所有法や管理規約により、室内であっても共用部分に当たる場所は大規模なリノベーションができません。
たとえば、ベランダや窓、サッシ、建築構造に影響する柱・間仕切りは共用部分に当たるため、基本的にリフォームできません。また玄関扉の内側や壁紙、床、天井といった専有部分でも、管理規約によりゲストのニーズに合わせたデザインやレイアウトにできない場合があります。
また、リノベーションは工事の過程で周辺住民の生活に影響を与えるレベルの騒音や振動が発生する可能性があるため、事前に管理組合から許可を得ることが必要です。
管理規約で民泊が禁止されている場合が多い
マンションはそもそも管理規約で民泊が禁止されている場合が少なくありません。
公益財団法人マンション管理センターが2018年6月に実施した調査によれば、回答した105組合のうち、全体の96.2%にあたる101組合が管理規約などで民泊を全面的に禁止しています。住宅宿泊事業法が成立して間もないころに実施された調査ですが、調査で判明した傾向は本記事を執筆する2026年1月現在も大きく変わっていません。
こうした実情を踏まえ、マンションで民泊を始める際は、事前に管理規約や管理組合の方針を確認したうえで、管理組合や住民の考えに寄り添う姿勢が大切です。

住宅宿泊事業法に基づいてマンションで民泊を始める際は、次の流れに沿って進めていきます。
- 管理組合や賃貸人から民泊運営の許可を得る
- マンションが民泊営業が可能なエリアにあるかを確認する
- 保健所や消防署へ事前相談する
- 宿泊施設として必要な設備や備品を準備する
- 近隣住民に説明する
- 管轄の都道府県または保健所の窓口で届出を行う
- 民泊仲介サイトに物件を登録して営業を開始する
これらの手順を踏めば、マンションでの民泊運営で発生しうるリスクも最小化できます。ぜひ参考にしてください。
管理組合や賃貸人から民泊運営の許可を得る
まずは管理組合や賃貸人から民泊運営の許可を取ってください。許可を得られたら、合意書や使用承諾書といった形で文書化しておくとよいでしょう。 当然のことながら、ここで許可を得られなければ、マンションで民泊運営するのは不可能です。
マンションが民泊営業が可能なエリアにあるかを確認する
続いて、マンションが民泊営業が可能なエリアにあるかを確認してください。 マンションが民泊の営業ができない用途地域のエリア外に立地している可能性は低いですが、場所によっては自治体の条例に基づく制限区域に立地している可能性があります。自治体によって民泊条例上の制限区域は異なるため、事前に確認しておきましょう。
保健所や消防署へ事前相談する
保健所を民泊の届け先に指定している自治体は多いため、まずは保健所に訪れ、マンションが宿泊施設としての基準を満たしているかを確認しましょう。このとき、自治体が独自に定める民泊の上乗せ条例の有無を確認することも大切です。
また、管轄の消防署にも訪れ、マンションが消防法上の基準を満たしているかを事前に相談しましょう。相談の際は、建物の平面図や部屋のレイアウトを持参すると、より正確なアドバイスを受けられます。
宿泊施設として必要な設備や備品を準備する
宿泊施設として必要な設備には、自動火災報知設備や消火器、避難口誘導灯などがあります。共用部分にすでに設置されている可能性がありますが、これらの消防設備の設置を怠ると罰則を科される可能性があるため、ご注意ください。
備品については正解はありません。ターゲット層に応じた備品を準備しましょう。たとえば、ターゲットが家族連れであれば子ども用アメニティー、ビジネスマンであればWi-Fiやデスクなどを完備することが大切です。
近隣住民に説明する
住宅宿泊事業法では、届出前に近隣住民への事前周知が義務付けられているため、法律に従う形で周辺住民へ説明を行いましょう。
説明の際は、民泊の営業内容やゲストへの対応体制、問題発生時の連絡先などを網羅した書面を配布・作成するのが一般的です。説明終了後は説明の日時や方法、対象者を記録した書面を作成し、届出時に提出できるよう準備しておきましょう。
管轄の都道府県または保健所の窓口で届出を行う
必要な準備が終わった後は、管轄の都道府県または保健所の窓口で届出を行いましょう。
自治体によっては、国の「民泊制度運営システム」に届出事項を入力後、添付書類を郵送する方法や、「民泊制度運営システム」から電子申請する方法で届出することも可能です。詳しくは、自治体のホームページをご確認ください。
民泊仲介サイトに物件を登録して営業を開始する
民泊の集客はSNSやホームページでの宣伝だけでは難しいため、Airbnbといった民泊仲介サイトに物件情報を登録しましょう。
民泊仲介サイトへの物件情報の登録が済めば、いよいよ民泊運営がスタートします。
マンションでの民泊運営は、好立地により高い集客力や比較的少ない初期投資額といったメリットがある反面、リノベーションの制限や近隣住民とのトラブルといったリスクもあります。
しかし、適切な準備と対策を行えば、リスクを上回るメリットを得ることは十分に可能です。軌道に乗れば、賃貸運営よりも高い利回り率を実現させられるでしょう。すでに区分マンションや一棟マンションを所有されている方は、マンションでの民泊運営をぜひご検討ください。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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