不動産クラウドファンディングのリスクを実例と共に紹介 | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産

不動産クラウドファンディングのリスクを実例と共に紹介

2025-12-22

出典「COZUCHI」ファンド一覧より
 

不動産クラウドファンディングは、小口で手軽に不動産投資を実践できる方法として人気です。ファンド組成が頻繁に行われ、不動産投資の一つの手法として普及しました。

不動産クラウドファンディングでの投資には不確実性を伴いますが、実態として多くのファンドが予定利回りを実現してきた実績があります。そのため、不動産クラウドファンディングのリスクを、あまり意識せずに投資する方も多いのが実情です。

一方で過去には、不動産クラウドファンディングのリスクが顕在化して、投資家が影響を受けた事例もあります。今回の記事では、不動産クラウドファンディングのリスクを実例と共に紹介します。リスクを正しく理解したうえで、不動産クラウドファンディングを適切に評価しましょう。

不動産クラウドファンディングのリスク

不動産クラウドファンディングのリスクを大きく分けると、次のようなものがあります。

  • 中途換金ができない
  • 利回りや収益額が想定を下回る
  • 償還遅延・分配金の未払い
  • 事業者の不祥事により損害を受ける

それぞれのリスクについて、簡単に解説していきます。

中途換金ができない

ファンドが正常に稼働していても顕在化しうるリスクとして「中途換金ができない」点があります。不動産クラウドファンディング本来のリスクの一つとして「流動性の低さ」があり、多くのファンドは原則満期まで売却できません。

中にはCozuchiやGOLD CROWDのように、中途換金や権利譲渡の制度があるファンドもあります。ただ、中途換金や権利譲渡の制度があるサービスも「株や投資信託」のように柔軟な売買ができるとは考えない方が良いでしょう。

出典:「GOLD CROWD」公式HP

流動性が低いというファンドの本来の特徴は大きくは変わらないため、売買相手の発見に時間がかかる、売却に手数料がかかるなどのデメリット・リスクが存在する可能性があります。途中売却の機能を過信せず、各商品の売却時のコストや手続きも確認した上で、投資を検討しましょう。

利回りや収益額が想定を下回る

当初想定していたほど、収益や利回りを獲得できないリスクがあります。不動産クラウドファンディングの多くは、募集時に予定利回り・想定利回りなどの名目で利回りを提示します。投資家は、この水準を参考情報の一つとして、投資の是非を検討する上で重要な材料の一つです。

募集時の利回りは、あくまで事業者・アセットマネジャーが想定した通りに不動産を運用できたときに実現する利回りです。実際には賃料収入の減少や出口戦略の失敗などで、利回りを下回るリスクがあります。

利回りが維持されていても、投資による合計の利益額は想定を下回るケースも想定されます。利回りは通常「1年あたり」で表示されるため、運用期間全体で得られる収益額は、同じ利回りなら運用期間が長い方が大きくなります。

仮に利回りを維持していいたとしても、早期償還してしまうと将来得られるはずだった分配金の一部が得られなくなり、金額で見たときの収益性が下がるのです。早期償還は不動産クラウドファンディングのなかでも比較的実施例のある運用スケジュール変更です。収益額を重視して投資を検討する方は、注意しましょう。

償還遅延・分配金の未払い

ファンド投資先の不動産運用の失敗や事業者の管理の失敗などにより、償還や分配を予定通り行えなくなるリスクがあります。想定以上の空室の発生や、売却取引の不調などが主な原因として考えられます。

また、不動産運営自体は問題ないにもかかわらず、決済・契約の不備や事業者の不祥事等による資金移動の遅延が未払いの原因となるリスクもあるでしょう。分配金や償還金を次の投資や生活費の当てにしていた方は、スケジュール変更だけでも悪影響を受けるので注意が必要です。

資金に余裕があれば、一時的に未払いとなっても、後で状況が改善して最終的に支払われれば影響は軽微です。一方でより悪いケースとして、償還や分配金が満額なされないまま運用が終了して、投資家に損失を与えるリスクも考えられます。

事業者の不祥事により損害を受ける

事業者の不祥事や運用失敗が投資家に損害を与える可能性もあります。不動産自体が問題なくとも、事業者の経営が悪化したり不祥事を起こして業務停止となったりすれば、ファンド運営に支障が出る可能性があります。そもそも不動産管理が止まってしまったり、本来分配・償還原資となるはずの資金の決済ができず、投資家に届かないリスクなどがあります。

特にリスクが高いのは破綻や債務不履行により、ファンドの投資不動産が弁済に充てられるリスクです。不動産クラウドファンディングの投資資産は、機関投資家向けのファンドでは一般的な倒産隔離の充分に取られていない商品が多く見られます。

その場合、万が一事業者が債務不履行を起こしたときには、ファンド投資家は他の資金の貸し手と同様に債権者の一部となります。ファンド出資者は、一般に銀行ローンの貸し手と比べて債権順位が低いことから、投資元本よりも大幅に少ない金額で返済されて、大きな損失を被る可能性があるのです。

不動産クラウドファンディングのリスクが顕在化した事例

不動産クラウドファンディングのリスクが顕在化して投資家に影響を及ぼした事例は、実際にいくつか存在します。ここでは、代表的な事例を3つ紹介するので、リスクを正しく理解するうえでの参考にしてください。

「みんなで大家さん」での分配金未払い

2025年7月以降、みんなで大家さんの分配金が未払いになっていると、日本経済新聞など複数の報道機関が報じています。(参考:不動産投資商品「みんなで大家さん」運営会社を提訴 出資金返還請求

未払いとなっているファンドすべてをまとめたプレスリリースなどは公表されていません。しかし、「みんなで大家さん」が公開済みの2025年7月・8月の分配実績に漏れがないのだとすれば、シリーズ成田17号などいくつかの年6回分配型の銘柄の一部が分配されていないと見られます。

出典:みんなで大家さん公式HP

未払いが続く状況を受けて、投資家の中ではファンドの解約を希望する方が出ています。出資金返還のために集団提訴する動きが出ているとの報道もみられる状況です。また、2025年10月14日には東京都と大阪府から行政指導が行われています。東京都のWebサイトによると「解約に関する新たな提案」の具体的かつわかりやすい説明を求めたとのことです。

「ダイムラー・コーポレーション」の破産

2025年7月15日に、ダイムラー・コーポレーションという不動産運用会社が破産しました。破産の事実は東京商工リサーチなどを通じて公表されています。同社は不動産クラウドファンディング事業者として、複数のファンドを募集・運営した企業でもあります。2025年現在でも運用中のファンドが複数あり、沖縄の物件に投資していたとの報道もあります。

公式Webサイトを見ると「016 プールヴィラ済井出 第三期」というファンドは2024年9月30日が募集終了日で運用期間1年のため、破産時点で運用中だったと考えられます。本ファンドは「運用終了」とされていますが、破産後に元利金が予定通り投資家に支払われた事実は不明です(少なくとも元利金支払いの事実は公開情報からは確認できません)。

公式の情報を踏まえると、本ファンドは不動産クラウドファンディングでしばしばみられる「匿名組合型不動産特定共同事業契約」の形式を取っていると考えられます。一般的には、同契約による債権順位は他の債権者よりも劣後するため、破綻後に元利金を満額受け取るのが難しい可能性が懸念されます。

「ヤマワケエステート」の償還延期

ヤマワケエステートで運用していた【62号.札幌市宮の森 2nd隈研吾&Knight Frank社】【106号.札幌市宮の森 3rd 隈研吾&Knight Frank社】【119号.札幌市宮の森 4th 隈研吾&Knight Frank社】について、償還遅延が発生している旨のプレスリリースが、2025年03月07日に公開されました。

出典:ヤマワケエステート「札幌市宮の森 2nd 隈研吾&Knight Frank社

プレスリリースによると、当時の同サービスでは不動産の決済完了日を運用終了日と設定して、償還はその後の精算手続きを経て行われる仕組みでした。また、決済完了日が到来しておらずとも、決済可能と判断した時点で運用終了と判断していました。

この定義では、運用終了よりも償還日が後日となります。本件では決済後に不動産から現金化への決済・清算で不測の事態が発生して、本来の償還予定日に元利金を調達できず、遅延が発生している状況です。同社では、取引・決済体制やガバナンス強化、情報透明性の確保を進めることによる再発防止策を公表しました。

ただし、償還延期が起きている3ファンドについては、現状も「集計中」のステータスとなっていて、償還は実行されていないと考えられます。

不動産クラウドファンディングのリスクを正しく評価して投資を判断しよう

不動産クラウドファンディングは少額から投資できる魅力がある一方で、流動性の低さや想定利回り未達、償還遅延、事業者リスクといった複数のリスクを伴います。

「中途換金のしにくさ」は、投資資金を長期間拘束する要因となります。また、予定利回りが達成されないリスク、早期償還で収益額が想定を下回るケースなどにも注意が必要です。

不動産クラウドファンディングで投資家に損失をもたらした事例は多くはありません。しかし、実際に発生すると、元利金償還額が当初の想定を大幅に下回るなど、投資家に大きな損失をもたらすリスクもあります。不動産クラウドファンディングはあくまで投資であり、リスクを伴うものであることを理解して、銘柄の慎重な選定やリスク分散などの対策を徹底してください。

 
私たちリタ不動産は、全国の不動産投資・収益物件(投資物件・収益不動産)を取り扱う不動産会社です。社名の『リタ』は「利他の精神」「自利利他」から名付けられたもの。その背景には、自分の利益を最優先するのではなく、お客さまの利益を最優先としたサポートや提案を行うというスタンスがあります。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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弊社の目的はお客さまの資産形成をお手伝いすることです。収益物件の売買を通じてお客さまのビジネスパートナーとして「常に誠実である」ことをお約束します。不動産投資は長い目線で取り組まねばならない投資です。棟目の購入・売却から資産入れ替えの再購入まで末永くお付き合いするために、メリットのみならずリスクやデメリットもしっかりと告知します。 物件情報は精査したもののみ発信するほか、節税相談や金融機関のご紹介など、不動産投資を通じた資産形成をトータルサポート。お客さまが安心して不動産投資に取り組めるように尽力いたします。気になること、不安なことがあればいつでもお気軽にご相談ください。
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ページ作成日2025-12-22
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