3棟目の〝融資の壁〟をどう乗り越えた? 負債があっても諦めなかったアパート投資家の実体験と戦略 | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
3棟目の〝融資の壁〟をどう乗り越えた? 負債があっても諦めなかったアパート投資家の実体験と戦略
2025-09-01

先日、筆者は3棟目のアパート購入を完了させました。当初ターゲットとしていた中古・首都圏の物件購入にこぎつけています。今回は、他の記事と少し趣向を変えて、筆者の3棟目のアパート購入に向けた体験や判断ポイントなどをまとめました。今後、複数物件への投資を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
3棟目の購入は、2024年の年末ごろから本格的に検討を始めました。その要因は大きく次の3点です。
- 不動産投資の収益性の向上
- 節税効果の拡大
- 証券投資も含めたポートフォリオの見直し
筆者は、2025年初時点で2棟のアパートを大阪と名古屋に所有していました。キャッシュフローの収支自体は月々安定してプラスしているのですが、サブリース・新築購入ということで、利回りで見ると収益性は高いとはいえませんでした。
当初の自己資金を抑えていますし、赤字による効果まで加味すると、投資回収が順調に進んでいるのですが「もう少し収益性を高めたい」と感じていたのが正直なところ。家計にもある程度のゆとりはあるので、次は少しリスクを取って中古物件にチャレンジしようと考えていました。

また、3棟目の購入を通じて節税効果を高めたいとも考えていました。近年は所得税・住民税の税金負担が重くなりつつあり、不動産の節税効果をさらに享受したいと考えていたのです。中古であれば目先数年で大きく所得を圧縮できるため、3棟目は中古物件をターゲットにすることにしました。
3棟目の検討を進めるにあたり、まず「中古一棟アパート」という軸は初めから決まっていました。一棟マンションを購入する余力はなく、また節税効果を踏まえて中古・一棟ものが良いだろうと考えた結果です。
投資するエリアについては「これまでとは違う地域」という考えは漠然とあり、首都圏を第一候補に据えていました。ただ、投資機会が見つかったら早めに検討したいと考え、全国の物件をポータルサイトであたりました。

物件選びにおいてはさほど高度なことはしておらず、ポータルサイトを閲覧→気になる物件は不動産会社に問い合わせの繰り返しです。現代は便利なことに、地方の不動産会社でもZOOMなどを活用してオンラインで物件を紹介をしてくれます。問い合わせたのに無視されてしまった会社もありましたが、10社程度の不動産会社とは電話・Webでのコミュニケーションを取りました。
あくまで機会とタイミングにもよるとは思うのですが、大阪・名古屋クラスを含めて、首都圏以外の投資は「難しい」という感触を得ました。残債がすでに相応にあるなかで、金融機関の審査を通すのが難しそうな様子です。
たまに可能性があっても、多額の自己資金が必要で、筆者がイメージする自己資金を抑えた投資スキームとは合わないな、と感じました。
一方で、首都圏の中古物件は、強気(低金利・高ローン比率・長期)な案内がいくつもありました。最終的に首都圏の物件を買うことになるのですが、都心部を取り囲むように、各地域の物件の案内をしてもらいました。23区内でも北側・東側の案内の物件案内はいくつかありました。
もともと、すでに名古屋・大阪に物件を持つ中で、次に首都圏というのは有力な選択肢だったので「むしろちょうどよいか」と考えて、購入エリアは首都圏に絞り込んでいきました。
基本的には乗り換えなしでターミナル駅に行けて、最寄り徒歩10分以内を基準に選びました。当初は築20年以内で考えていたのですが、紹介を受けた物件がどれも割高な印象を受けたのと、節税効果があるならもう少し築古でも良いかと思い、最終的には築30年くらいまで許容しました。
ローンを借りる金融機関について、筆者自身は「そろそろ自分で交渉するとかしないといけないのかな」とかつては考えていたのですが、結果的には不動産会社に助けてもらいました。
複数の会社から情報をもらい、概ね以下のような情報をもとに検討することになります。
- 審査通過の余地がある金融機関
- 想定される借入可能額(基本的には物件価格の「何%か」でいわれる)
- 想定される金利
- 想定される借入年数
地銀、ノンバンクやネット銀行などについていくつか紹介されました。筆者の場合は主に残債と自己資金がハードルとなりました。自宅とアパート2棟で3棟目、すでにそれなりに負債を抱えている筆者でも「自己資金をそれなりに積めば審査通過が可能」という回答が多く見られました。
ただ、今回については自己資金500万円以内で抑えたいと考えていたため、物件価格×融資条件の組み合わせで取り組める金融機関がなかなか見つかりませんでした。物件は案内できるが自己資金が足りない、というコミュニケーションを複数の不動産会社と繰り返しました。
最終的には、都心寄りの5千万円以下の築古物件で、融資条件がマッチする金融機関をご提案してもらった先があり、そこで審査を進めることになりました。
築古という点は少し悩んだポイントでした。収支計画と共にご提案いただき、自分の手元でも分析してみたところ、節税効果の高さに魅力を感じたこともあり、購入手続きを進めることにしました。
金融機関にもよりますが、保有する「資産」ではなく「現金」の金額を判断材料とするところが結構あります。以前、別の筆者の記事でも触れたと思うのですが、特に株や投資信託など、流動性の高い有価証券のままなら問題のない先と、あくまで現金の量を求める先があります。
今回については後者だったようで、審査に入る前から一定量の有価証券を処分して現金を作っておきました。預金額は通帳かネットバンキングの残高を見せて証跡とするケースが多いです。
筆者は今回、前もって有価証券を一定量換金済みだったので、一定の金額を示すことができました。ただ、事前に知らない場合、審査のためだけに有価証券を売却しなければならないリスクが想定されます。
足元のように相場が荒れていると、損切りを強いられる恐れがあるため注意が必要です。審査を受ける金融機関が資産規模を何で判断するかは、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
不動産会社は、フィージビリティ(実行可能性)のある状況であれば早期の決断を促してきます。筆者についても、残債の多さや自己資金がネックとなりつつも、いくつか実行の余地がありそうな物件・融資条件の組み合わせが見つかると、購入を強くすすめられました。
今回、最終的に購入した物件は、満室の中古物件だったため、内見ができない状態でした。過去に購入した物件は新築だったこともあり、入居者が来る前の物件を見ることができたので、この辺は大きな違いです。
一方で、購入前に周辺環境を確認しておこうと考えて、昼と夜に物件周辺を下見にしにいきました。駅まではよくある住宅地といった具合で、特に気になるポイントはありませんでした。

駅からは程近く、極端に騒々しいわけでもないということで「これなら都心周辺で働く人の需要があるだろう」と感じたところです。提案を受けてから1週間ほどで下見を済ませて、購入の手続きを進めるに至りました。
購入を決めたら仮審査・本審査・金消契約と進みます。必要な書類が非常に多く、仕事をしながら準備するのはなかなか大変でした。特に税金や確定申告の書類については、手元にない書類も少なからずあり、期限に間に合わせるのに苦労しました。
筆者は今回のアパートを購入する前に、すでに2棟のアパートを所有しています。いわゆる「事業規模」(5棟もしくは10室が目処)に達していて、青色申告を行なっています。普段は65万円の税額控除があるため助かっているのですが、過去数年分の確定申告書の手配には、意外に苦労しました。

そのほか、資産状況についての証拠提出を求められました。昔であれば通帳で良かったのかもしれませんが、ほとんどがWEB上の口座となっている筆者は、通帳を持ち合わせていません。
その場合は、Webバンキングのキャプチャ画像を添付するケースが多いです。この点は2棟目を購入するときも同様でした。筆者は、多くの口座に資産や資金が散らばっているため、キャプチャ・送付の作業が多く発生しました。
不動産会社は、融資通過の余地も見極めながら物件を販売していますが、正式な審査ではない以上100%ではありません。当初希望していた融資条件が出ないケースも、しばしばあります。
今回の筆者もそのケースで、不動産会社とともに想定していた条件よりやや自己資金が必要な形となりました。ここで決断を迫られたものの、手元の状況を確認した結果、支払いは充分可能と判断し、本審査に進むこととしました。
本審査については、不動産会社のサポートのもとスムーズに進んだため、特筆すべき点はありません。審査通過後は、金消契約、初期費用の支払いと続きます。筆者の場合は、金消契約から引渡しまでの期間が短かったため、大急ぎで自己資金を指定口座に集めて、無事引渡しを完了させました。
今回の取引で、投資地域で見れば地方+首都圏、物件のタイプでも新築+中古の双方を並べることができました。稼働率を維持できれば、月々の総賃料収入も増加する見込みです。今回購入した物件では節税効果も期待でき、理想に近い資産構成を実現したと考えています。

しばらくは3棟目の収支状況を見て行きますが、どこかのタイミングでは4棟目の購入を検討する予定です。月々の現金収入は、増やす余地があればさらにチャンスを狙いたいと考えています。
3棟目ともなると、現状の負債総額がクローズアップされるため、購入ハードルがずいぶん高くなると感じました。一方で、自己資金を抑えようとした点がネックとなった部分もありました。自己資金を多めに準備できる場合は、投資機会はさらに豊富に存在すると考えています。
もし、5年先まで購入のチャンスがなかった場合には、今投資する物件の売却も検討する予定です。今回購入した物件が長期譲渡になるときに売却して、手元資金を増やしてより大きな規模の物件を購入する方向性もあると考えています。今後の自身の資産の増え方も見ながら、最適な投資方法を選択していきたいです。

「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。

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