借地権付物件で不動産投資ってアリ?メリット・デメリットと注意点 | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産

借地権付物件で不動産投資ってアリ?メリット・デメリットと注意点

2025-09-29

 

建物と同様、土地も借りたり、貸したりすることが可能です。そして、借りた土地の上=借地の上に建物を建て、それを人に貸す形で不動産投資をすることももちろんできます。

この記事では、このような「借りた上の土地に建つ物件=借地権付物件」を使って不動産投資をすることのメリット・デメリット、注意点を詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

借地権付物件の基礎

借地権付物件とは、簡単にいうと「借りた土地=借地の上に建つ物件」のことです。一般的な物件とは違い、土地と建物の所有者は異なります。

ここではより踏み込んで、借地権についても理解しておきましょう。

借地権とは「土地を借りる権利」

借地権とは、地主などの第三者から土地を借りて対価を支払い、その上に建物を建てる権利を指します。なお、地主など貸す土地の所有者を「借地権設定者」、土地を借りる側を「借地権者」というため、併せて覚えておきましょう。

また、借地権はさらに地上権と賃借権の2つに分類することが可能です。

地上権と賃借権は、どちらも他人の所有する土地を使う権利ではあるものの、大きな違いがあります。

地上権の場合、その土地の上に建てた建物を売却したり、建て替えたりする場合に土地の所有者の許諾は原則必要ありません。担保の設定も、原則として許諾なしに可能です。

一方、賃借権の場合、建物の売却や建て替え、担保の設定は原則として土地の所有者の許諾が必要になります。

つまり、地上権は土地の所有者にとって不利になりがちであるため、大半の借地権付物件では賃借権が設定されているのが実情です。そのため、基本的にアパートやマンション、一戸建てなど住宅を建てる目的で貸し借りをする場合、基本的には「借地権=賃借権」と考えて構いません。

借地権の種類

借地権を根拠となっている法律や、具体的な契約の内容で分けると、以下の4種類に分類できるため、以降において詳しく解説します。

旧借地権

旧借地権とは、旧借地法に基づく権利のことで、1992年8月よりも前に土地の貸し借りをした場合に発生する権利です。

なお、現行の借地借家法は1992年8月1日から施行されており、2025年現在はこの権利が新しく発生することはありません。

旧借地権の大きな特徴として、現行の借地借家法に基づく権利と比べ、借地権者(土地の借主)の権利が強いことが挙げられます。

まず、当事者間で契約更新をすれば、半永久的に土地を借りることが可能です。また、契約に関して存続期間の定めがある場合は、建物が老朽化して人が住めなくなったとしても、借地権は消えないため建て直すことが可能です。

一方、契約に関して存続期間の定めがなかった場合、建物が老朽化して人が住めない状態になると同時に、借地権も消滅します。

なお、建物が老朽化して人が住めない・使えない状態になることを「朽廃(きゅうはい)」というため、併せて覚えておきましょう。

普通借地権

普通借地権とは、1992年8月1日以降に施行された現行の借地借家法に基づく権利で、長期的に土地の貸し借りができるのが特徴です。

ただし、法律上借地権の存続期間は最低30年(借地借家法第3条)と定められており、契約を更新することで10年(初回更新は20年)ずつ延長できる形になっています(借地借家法第4条)。

旧借地権とは違い契約を更新する形ではあるものの、正当な理由がなければ貸主(地主)側から更新を断ることはできません。また、建物が滅失した場合、建て直すのには地主の許可が必要です。旧借地権に比べ、やや土地を借りる側の権利は弱くなっていますが、甚大なトラブルを起こさず、ルールを守ってさえいれば半永久的に使えると考えて構わないでしょう。

定期借地権

普通借地権とは異なり、原則として契約の更新ができない借地権のことを定期借地権と言います。契約が終了したら、たとえ建物がまだ使える状態だったとしても、更地にして土地を所有者に返却しなくてはいけません。そのため、半永久的に土地を使い続けられる普通借地権と比べると、永住や子供への相続には向いていないのも事実です。

なお、定期借地権をさらに細かく分類すると、以下の3種類に分けられます。

項目/名称 一般定期借地権 事業用定期借地権 建物譲渡特約付借地権
存続期間 50年以上 10年以上50年未満 30年未満
利用目的の制限 なし 事業用建物のみ なし
契約方法 書面(公正証書含む) 公正証書 口頭でも可能
存続期間終了後の扱い 更地にして返還 更地にして返還 建物を土地の所有者に売却

なお、2008年1月1日以前の事業用定期借地権の存続期間は、10年以上20年までとなっていました。改正により大幅に延長されましたが、2007年末までに借地契約を結んだ場合は、最大で20年経ったら建物が使える状態だったとしても更地にして土地を返さなくてはいけません。

事業用定期借地権をイメージしやすい例として挙げられるのが、東京・お台場にあったスーパー銭湯「東京お台場大江戸温泉物語」です。

さまざまな観光スポットにも近いことから人気を博していましたが、土地の所有者である東京都との契約が満了したことで、2021年9月5日に閉館しました。契約にあたって事業用定期借地権が付されており、交渉を進めたものの更改に至らなかったのが閉館の原因と報道されています。

一時使用目的の借地権

一次使用目的の借地権とは、明らかに一時的な使用を前提として土地を借りる場合に認められる借地権を指します。例えば、大規模なマンション等を建てる際、作業員の詰め所や現場事務所を設置するために借りる土地をイメージするとわかりやすいでしょう。

あくまで期間限定で借りて、目的を達成したら更地にして返還するのが前提です。必ずしも手厚く保護する必要はないことから、借地借家法における以下の規定は適用されません。

  • 借地権の存続期間(借地借家法3条)
  • 借地権の更新後の期間(借地借家法4条)
  • 借地契約の更新請求等(借地借家法5条)
  • 借地契約の更新拒絶の要件(借地借家法6条)
  • 建物の再築による借地権の期間の延長(借地借家法7条)
  • 借地契約の更新後の建物の滅失による解約等(借地借家法8条)
  • 建物買取請求権(借地借家法13条)
  • 借地条件の変更及び増改築の許可(借地借家法17条)
  • 借地契約の更新後の建物の再築の許可(借地借家法18条)
  • 定期借地権(借地借家法22条)
  • 事業用定期借地権等(借地借家法23条)
  • 建物譲渡特約付借地権(借地借家法24条)

借地権付物件で不動産投資をする4つのメリット

借地権付物件で不動産投資をすることには、費用を抑えられることも含め、さまざまなメリットがあります。ここでは具体的なメリットとして以下の4点について解説するので参考にしてください。

  • 費用を抑えて不動産投資ができる
  • 運用利回りを高めやすい
  • 固定資産税や都市計画税は不要
  • 借地権の内容次第では長期間の運用が可能

費用を抑えて不動産投資ができる

1つ目のメリットは「費用を抑えて不動産投資ができる」ことです。借地権付物件はあくまで「土地の上に建つ建物」を購入することになるため、土地の購入にかかる費用を払う必要はありません。一般的な物件とは違い、土地の所有権は取得しないので、費用を抑えながら不動産投資ができます。

運用利回りを高めやすい

2つ目のメリットは「運用利回りを高めやすい」ことです。不動産投資の成果を測る指標の一種に運用利回りが挙げられますが、これは「年間の運用利益 ÷ 物件取得価格」という式で計算します。

借地権付物件の場合、分母に当たる物件取得価格が低くなるため、おのずと運用利回りも上がる仕組みです。利益を効率的にあげられるようになるため、不動産投資ローンを早期に返済できるうえに、支払う利息の総額も低く抑えられます。

固定資産税や都市計画税は不要

3つ目のメリットは「固定資産税や都市計画税は不要」となることです。借地権付建物を取得する場合、「土地の上に建つ建物」しか自分のものになりません。土地は取得しないため、一般的な物件に比べると固定資産税や都市計画税、不動産取得税などの負担を軽減できるというメリットがあります。

借地権の内容次第では長期間の運用が可能

4つ目のメリットは「借地権の内容次第では長期間の運用が可能」であることです。土地の賃貸借契約にあたって付されるのが普通借地権であった場合、ルールを守ってさえいれば半永久的に土地の貸し借りができます。また、定期借地権であっても、一般定期借地権であれば50年以上の契約期間を設定できるため、長期間問題なく利用できるはずです。

借地権付物件で不動産投資をする4つのデメリット

借地権付物件は費用を抑えられるなど便利な部分はあるものの、一定のデメリットもあることに注意しなくてはいけません。ここでは、具体的なデメリットとして以下の4点について解説します。

  • ローンの審査で不利になるおそれ
  • 物件の売却が難航する
  • 地主の許可なく売却・増改築できない
  • 地主への地代(賃料)が発生する

ローンの審査で不利になるおそれ

1つ目のデメリットは「ローンの審査で不利になるおそれ」があることです。借地権付物件は一般的な物件とは異なり、土地の所有権は含まれないため、金融機関の担保価値が低くなります。

その上、担保を現金化する際も地主の承諾なしには手続きを進められません。いわば、金融機関にとっては不利な物件である以上、融資に当たって厳しい条件が設けられたり、融資自体が否決されたりする可能性は十分にあります。

物件の売却に難航する

2つ目のデメリットは「物件の売却に難航する」ことです。前述したように、借地権付物件は金融機関の担保評価が低く、不利な物件である以上、ローンの審査にも通りづらくなっています。そのため、現金あるいは多額の自己資金を投入できる買主が現れないと売却に難航するかもしれません。

地主の許可なく売却・増改築できない

3つ目のデメリットは「地主の許可なく売却・増改築できない」ことです。借地権付物件を売却したり、建て直したりする際は、地主の承諾が必ず必要になります。交渉に応じてもらえず、自分が思うような運用ができない可能性もある点に注意が必要です。また、交渉には応じてもらえても、承諾料が発生することも考えられます。

地主への地代(賃料)が発生する

4つ目のデメリットは「地主への賃料が発生する」ことです。借地権付物件は、いわば「人から土地を借りて、その上に建物を建てている」状態である以上、土地を借りていることに対する賃料が発生します。

一般的な年間賃料は土地の更地価格の年6%程度ですが、契約内容次第の部分もあるので事前の確認は必須です。また、契約更新に当たって土地の更地価格の年5%~10%程度の更新料が発生することもあります。

まとめ

借地権付物件で不動産投資をすること自体は可能です。費用を抑えながら不動産投資ができるということで、実際にチャレンジしている人も散見されます。しかし、流動性が低いため、出口戦略を考えたうえで投資しないと後悔する可能性が高いのも事実です。事前に綿密なシミュレーションを行うとともに、契約書の内容をしっかりと理解しましょう。
 
私たちリタ不動産は、全国の不動産投資・収益物件(投資物件・収益不動産)を取り扱う不動産会社です。社名の『リタ』は「利他の精神」「自利利他」から名付けられたもの。その背景には、自分の利益を最優先するのではなく、お客さまの利益を最優先としたサポートや提案を行うというスタンスがあります。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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弊社の目的はお客さまの資産形成をお手伝いすることです。収益物件の売買を通じてお客さまのビジネスパートナーとして「常に誠実である」ことをお約束します。不動産投資は長い目線で取り組まねばならない投資です。棟目の購入・売却から資産入れ替えの再購入まで末永くお付き合いするために、メリットのみならずリスクやデメリットもしっかりと告知します。 物件情報は精査したもののみ発信するほか、節税相談や金融機関のご紹介など、不動産投資を通じた資産形成をトータルサポート。お客さまが安心して不動産投資に取り組めるように尽力いたします。気になること、不安なことがあればいつでもお気軽にご相談ください。
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