大阪の下町・西成エリア 都会にある秘境駅の謎やオモシロスポットをめぐる | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
大阪の下町・西成エリア 都会にある秘境駅の謎やオモシロスポットをめぐる
2025-06-12

大阪市南西部に位置する西成区は、難波や天王寺といった繁華街に近接し、地下鉄の大阪メトロや南海電鉄が乗り入れる利便性の高いエリアです。かつては日雇い労働者の街というイメージがありましたが、現在は行政や民間の地域再生の取り組みにより、多様なカルチャーが混在する注目のエリアへと変貌を遂げています。アートイベントや地域活性化事業などが開催され、その多様性や魅力が再評価され、新たな注目を集めています。本記事では、西成に存在する「都会の秘境駅」とも呼ばれる南海木津川駅や、ユニークな橋や公園、そして賃貸ニーズの現状まで詳しくご紹介します。
大阪市西成区の一角に、「南海木津川駅」というひっそりとした駅が存在します。すぐ南側には阪神高速が走り、大阪環状線からも500mと離れていない都会の真ん中に、突如として古ぼけた平屋の駅舎が現れる光景はまさに異様です。

南海木津川駅は、南海電気鉄道高野線の支線「汐見橋線」に属しており、沿線でも特に利用者が少ない駅のひとつです。前後500m程度の距離に他の駅があることから、「木津川駅が存在しなくても不思議ではない」と言われるほどです。それにも関わらず、なぜこの駅は今もなお存在しているのでしょうか。
この都会の秘境駅の謎を解くカギは、駅のすぐ西を流れる木津川と、500mほど下流に位置する昭和山千島公園の歴史にあります。
木材流通の要衝としての歴史
1930年頃の古地図を見ると、木津川駅の西側には木材の積み替えに利用された入堀(いりぼり)が存在していました。また、現在の昭和山千島公園の場所には、広大な木材市場が広がっていたことがわかります。

木津川を挟んで大正区になる昭和山千島公園は、もともと木材をストックしておくための貯木場でした。つまり木津川駅は、木材流通の要所として活躍していた“貨物駅”だったのです。
人工の山「昭和山」の誕生
その後、戦後の復興に伴い、大阪市では地下鉄工事が本格化。大量に発生した残土で埋めたてが進み1970年(昭和45年)に出来上がった人工の山が「昭和山」でした。昭和山は標高33メートルの小高い丘で、大阪ベイエリアの名所「天保山」にちなんで命名されました。現在、昭和山を中心に整備された「千島公園」は、市民の憩いの場として親しまれています。
こうした歴史的背景から、かつて物流の要であった木津川駅は、その役割を終えた後も現在まで残されてきたのです。現在は周辺の住宅密度が低いため、日常的に駅を利用する人は少なく、“都会の秘境駅”と呼ばれる所以となっています。
木津川駅の情報
住所:大阪市西成区北津守一丁目8番67号
南海電鉄木津川駅ページ:https://www.nankai.co.jp/traffic/station/kizugawa.html
昭和山千島公園の情報
住所:大阪市大正区千島二丁目7
アクセス:大阪シティバス「大正区役所前」下車 南約50m
大阪市大正区ホームページ
https://www.city.osaka.lg.jp/taisho/page/0000501162.html
南海木津川駅や昭和山千島公園から少し南へ進むと、ユニークな形状で知られる「千本松大橋(せんぼんまつおおはし)」が現れます。その独特の形から通称「めがね橋」と呼ばれ、車・歩行者・自転車が通行可能です。都市インフラとして重要な役割を果たしながらも、そのユニークさから一種の観光スポットとしても注目されています。

橋のたもとには、現在も運行されている「千本松渡船場(せんぼんまつとせんじょう)」もあります。この渡船場は、大阪市西成区と大正区を結ぶ渡し船で、木津川の河口近くに位置しています。1973年(昭和48年)に千本松大橋が開通した後も、なぜ渡船場が存続しているのでしょうか。
千本松大橋は、両岸に二重のらせん状スロープを持つループ橋です。この構造は、木津川を航行する大型船の邪魔にならないよう、橋桁の高さを十分に確保するために採用されました。橋の高さは33メートルと非常に高く、車での走行には問題ありませんが、徒歩や自転車でこの高低差を上り下りするのは相当な労力を要します。そのため、今もなお渡船場が地元住民の重要な代替交通手段として活躍しているのです。
「めがね橋」と聞くと、アーチ状の橋を想像する方も多いかもしれません。しかし千本松大橋は、上空から見ると、らせん状スロープがまるでメガネのフレームのように見えることから、その愛称がつけられました。橋が開通したのは1973年(昭和48年)で、当時の航空写真でもその特徴的な形状が確認できます。

大阪の産業発展とともに生まれた橋
千本松大橋が誕生した背景には、大阪の産業都市としての発展があります。明治後期から大正時代にかけて、大阪の西成区・大正区エリアは製鉄・造船を中心とした工業地帯として成長。しかし、運河や川に囲まれていたことから、水上交通に比べて陸上交通が著しく不便でした。そこで、木津川を横断する高架橋として千本松大橋の建設が決定されました。

この橋の建設によって、物流の効率化が進み、地域の経済発展にも寄与しました。都市計画の観点から見ても、らせん型ループ構造の採用は当時としては画期的であり、今日まで都市交通のシンボル的存在となっています。
現代に残る渡し船の風景
千本松渡船場は、大正時代から利用されていたとされる歴史ある渡し船です。橋の完成により一時は廃止が検討されましたが、地元住民の強い要望により存続が決まりました。現在では、近代的なループ橋と、昔ながらの渡し船が共存するユニークな景観が生まれ、地域文化の魅力のひとつとなっています。
千本松大橋(めがね橋)へのアクセス情報
所在地:大阪市西成区南津守 ~ 大正区南恩加島
アクセス方法:
・最寄駅:Osaka Metro 四つ橋線「北加賀屋駅」4番出口より徒歩約27分(約1,650m)
・バス利用:大阪シティバス「千本松西詰」「南津守二丁目」「南津守」各バス停から徒歩圏内
参考リンク:大阪市建設局 千本松大橋(大阪市公式サイト)
千本松渡船場へのアクセス情報
所在地:大阪府大阪市西成区南津守2丁目
営業時間:
・平日:6:00~21:30
・土日祝:6:15~21:25
アクセス方法:
・最寄駅:Osaka Metro・JR「大正駅」より
・バス利用: 大阪シティバス「千本松橋西詰」下車 徒歩約2分
参考リンク:大阪市建設局 千本松渡船場(大阪市公式サイト)
大阪市西成区は、再開発や地域活性化により注目を集めているエリアのひとつです。そんな西成区における賃貸ニーズを見ていくと、単身者向け物件が主流となっています。
不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」に掲載されている物件数は以下の通りです(2025年時点)。
- アパート:589件
- マンション:2,621件
- その他(店舗・事務所など):34件
また、西成区の空室率は約21.5%(賃貸住宅空家12,600戸 / 総賃貸住宅戸数58,700戸)と、全国平均よりやや高めの水準にあります。
参考:LIFULL HOME'S「見える賃貸経営」
西成区の間取り別の賃貸ニーズは…?
同サイトによると、西成区で賃貸物件を探すユーザーの間取りニーズは以下のように分布しています。
- ワンルーム・1K・1DK:55.5%
- 1LDK・2K・2DK:30.1%
- 2LDK・3K・3DK:12.7%
- 3LDK・4K以上:1.6%
これらのデータからも分かるように、単身者やカップル向けの需要が過半数を占めており、ファミリー層の需要は少数派であることがわかります。
ただし、ワンルームや1Kなどのコンパクトな物件は供給も多く、競争が激しいエリアでもあります。そのため、空室リスクを避けたい投資家にとっては、供給が比較的少ない「2LDK以上の広めの間取り」の物件の方が差別化しやすく、安定した入居が見込める可能性があります。
西成区周辺の希望家賃帯は主に4万円台~6万円台が中心で、駅徒歩10分以内という立地条件を重視する傾向が強いです。コストパフォーマンスの高さと交通アクセスの良さを求める入居者が多いのが特徴です。

「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。

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