大阪へ10分の街・尼崎。古いものから新しい街へ移行する尼崎駅エリアを探訪 | 全国の不動産投資・収益物件｜株式会社リタ不動産

尼崎市は、兵庫県の東南部に位置し大阪市と接する都市です。古くから鉄鋼業や化学工業が盛んで、日本の近代化を支えてきました。近年では、商業施設や住宅地の開発が進み、住みやすい都市として注目されています。大阪梅田や神戸三宮など大都市へのアクセスもよく近年は都市開発も進み住みやすい町として関西でも人気上昇中のエリアです。尼崎市を横断する3路線のうち、阪神尼崎駅をメインにご紹介します。

阪神尼崎駅は阪神本線と阪神なんば線の2路線が乗り入れ、大阪市内や神戸方面へのアクセスが便利です。特に大阪市は梅田と難波という2大ターミナル駅に直通しています。大阪梅田へ10分以内、直通特急なら7分という速さです。

この阪神尼崎駅には、名物の「車両スルー」といわれる乗り換え方法が定着しています。通常は乗り換えの際ホームの向かい側かいったん階段やエスカレーターで移動しますが、停車している車両を通り抜けてホームを移動するという方法です。2番ホームと3番ホーム、4番ホームと5番ホームへの乗り換えにこれが利用できます。

ホームとホームの間に1レールしかないので可能になっています。階段やエスカレーターを昇り降りしなくていいので楽ちんです。

阪神尼崎駅のすぐそばにあるのが中央商店街の1番街商店街です。1番街商店街をブラブラ歩いていると、いったん道路で途切れ、3番街に入ります。1番街に入り1ブロックしか歩いていないのに次は3番街。そう、尼崎中央商店街には2番街がないんです。尼崎中央商店街にはなぜ2番街がないのでしょう。

尼崎中央商店街は4つのエリアに分かれていて、5番街まであるのですが、2番街だけ飛ばされています。3番街の正式名称は「尼崎中央3丁目商店街」という名前なのですが、3番街は神田中通り3丁目なので3番街商店街として数字を合わせています。ただそのやり方で2丁目にある先頭の商店街を2番街商店街としてしまうと入り口なのに2番となってしまうので、ここだけやむなく1番街商店街と名付けたのです。1丁目は駅前の公園です。結果的に2番街を飛ばし、1番の次が3番になるという珍事が起こりました。

尼崎中央商店街の1番街と3番街のあいだの道を南へすぐの高架下に、てっちゃん鍋「やすもり」というホルモン鍋屋さんがあります。ここは尼崎市でも有名なお店で、サッカーの堂安律選手が常連です。

尼崎市出身の有名人といえば、堂安選手だけでなく数えきれないスターがたくさんいます。ダウンタウンはいうまでもありません。お笑いでは尼神インター（コンビとしては2024年解散）の渚、女優の南果歩、歌手でGENERATIONS from EXILE TRIBEの数原龍友、元F1ドライバーの小林可夢偉、プロ野球では村山実、江夏豊、伊良部秀輝など数えきれません。

尼崎城は阪神尼崎駅の南に存在した城で、江戸時代初期に築城された平城です。「 大坂の西の守り」として重要な役割を担いました。元和3年（1617年）、譜代大名・戸田氏鉄（とだ・うじかね）によって築城されました。3重の堀と4層の天守を持つ大規模な城で、その規模は現在の北城内・南城内の約300メートル四方、阪神甲子園球場の約3.5倍にも相当しました。250年後の明治6年（1873年）の「廃城令」により、残念ながらその姿を消すことになりました。
明治42年の古地図を見てみますと、天守閣はなく、城郭としての形も曖昧なほどになっています。

しかし、廃城から140年以上経過した平成30年（2018年）、家電量販店旧ミドリ電化（現在のエディオン）の創業者が「創業の地に恩返しがしたい」と、約12億円の私財を投じて尼崎城天守を復元しました。

現代的な耐震・防火構造を備えつつ、外観は往時の4層天守を忠実に再現。周囲は整備された公園（尼崎城址公園）となっており、春は桜、夏は緑が美しく映える憩いの空間に。最上階の展望室からは尼崎市街を一望できます。

かつて兵庫県尼崎市神田南通3丁目に存在した「かんなみ新地」。阪神尼崎駅から徒歩圏内、尼崎中央商店街を抜けた先に位置していたこの一角は、「特殊飲食店街」として独特の存在感を放ってきました。しかし2021年11月に全店舗が一斉に廃業し、約70年の歴史に幕を閉じました。

表向きは飲食店街であった「かんなみ新地」ですが、いわゆる旧赤線地帯として知られ、自由恋愛という名目で風俗営業が行われていました。

しかし、治安や騒音への懸念、地元住民の反発、法令順守の観点などから、長年にわたって問題視されてきた背景があります。そして2021年11月、全店舗が一斉に廃業。風俗街としての歴史に幕が下ろされました。当時、長きにわたり存在した風俗街が一斉に廃業したことは大きなニュースとなりました。

廃業から3年が経った現在も、、廃墟となった建物の一部が未撤去のまま残っており、景観や治安上の課題も指摘されています。

明治42年の古地図を見てみますと、かんなみ新地はまだありませんが、南側の商店街はすでに存在しています。

かんなみ新地の跡地は、複雑な権利関係（借地権・建物所有権等）が絡んだエリアとして知られていましたが、尼崎市が3年かけて関係を整理。現在は、サウンディング型市場調査が進められています。サウンディング型市場調査とは、市有地などの有効活用に向けた検討にあたって、 活用方法について民間事業者から広く意見、提案を求め、「対話」を通じて市場性等を把握する調査です。かんなみ新地の跡地をどのように活用し、地域を再生していくかが注目されていますが、200坪あまりの面積なので、民間に売却してマンションを建設する可能性もあります。

兵庫県尼崎市は、大阪市と隣接する都市として通勤・通学に便利な立地から、高い賃貸ニーズを維持しています。特に阪神尼崎駅・JR尼崎駅周辺は、単身者からファミリー層まで多様な入居者に支持されているエリアです。

最新の住宅・土地統計調査（総務省 2018年調査）によると、尼崎市には約113,120戸の借家が存在し、そのうち26,640戸が空室（空家）とされています。これは空室率23.6％に相当し、全国平均（13.6％）を大きく上回っており、供給過多の懸念も一部に見られます。
ただし、これは古い賃貸物件の増加や、築年数が経過した団地系物件が背景にあり、適切な物件選定で十分に勝負できるエリアでもあります。
不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」によれば、尼崎エリアで賃貸物件を探すユーザーの間取りニーズは、

「ワンルーム・1K・1DK」が37.4％
「1LDK・2Ｋ・2DK」が27.5％
「2LDK・3Ｋ・3DK」が22.2％
「3LDK・4Ｋ・3DK」が11.9％

となっています。

この数字から、単身者向けが約4割近くを占める一方で、カップルやファミリー層の需要も4割以上を占める構造が見て取れます。現状、尼崎市内では供給物件の多くが1K・ワンルームタイプに偏っており、ファミリー・DINKS向けの1LDK～2LDK以上の中間層向け物件が不足しているとも言えます。

LIFULL HOME'Sなどのポータルサイトによれば、尼崎市の家賃相場におけるボリュームゾーンは「5～6万円台」です。この価格帯で探しているユーザーが全体の約40％を超えており、予算重視の単身者・若年カップルをターゲットとした価格設定が有効とされています。