大阪の歴史が息づく街並みへ 明治・大正の面影を残す「北浜レトロ建築」巡り | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
大阪の歴史が息づく街並みへ 明治・大正の面影を残す「北浜レトロ建築」巡り
2025-07-07

大阪市北浜は、梅田のやや南側、土佐堀川のすぐ南一帯で、京阪電車本線と地下鉄Osakametro堺筋線が交差する地点です。明治以降、商都大阪の中心地として栄え、数多くの歴史的建造物が残されています。特に「北浜レトロビルエリア」と呼ばれる一帯は、その重厚な建物群が独特の雰囲気を醸し出し、歴史ファンや建築好きを魅了しています。大通りから一本入った路地のレトロビルや神社をご紹介します。
目次
大阪市中央区の北浜エリアは、歴史的価値の高いレトロ建築が立ち並ぶことで知られています。特に、明治・大正期の近代建築が多く現存し、都市再開発が進む中でも当時の面影を色濃く残しています。
なかでも有名なのが、昭和10年(1935年)に竣工した「大阪証券取引所」と、その向かいに立つ「北浜レトロビルヂング」(明治45年〈1912年〉竣工)です。いずれも北浜を象徴する建築物であり、重厚な外観と意匠の美しさから、今なお多くの建築ファンや観光客を惹きつけています。

大阪近代化の立役者「五代友厚」と北浜の歴史
北浜の発展を語る上で欠かせないのが、明治時代の実業家・五代友厚(ごだいともあつ)の存在です。薩摩藩出身の五代は、戊辰戦争で西郷隆盛らとともに活躍し、明治維新後は明治政府の要職を歴任。その後、大阪に拠点を移し、取引所や商工会議所の設立、インフラ整備などに尽力しました。
特に五代は、大阪取引所(現・大阪取引所)の創設に深く関わり、北浜を日本経済の中枢として発展させる礎を築きました。現在も大阪証券取引所前には彼の銅像が立ち、功績を後世に伝えています。

大阪・北浜のレトロ建築を代表する一棟「青山ビル」。 地下鉄Osaka Metro堺筋線「北浜」駅から徒歩すぐという都心にありながら、外壁を覆うツタとスパニッシュスタイルの外観が、訪れる人々に100年前の風景を思わせる洋館です。
大正ロマンを映す文化財建築「青山ビル」
青山ビルは1921年(大正10年)竣工。高級レストランや輸入食品店を営んでいた実業家・野田源治郎の私邸として建てられました。野田は、1919年のパリ講和会議に同行した際、ヨーロッパの建築様式に深い感銘を受け、帰国後にそれを反映したこの洋館を建築。鉄筋コンクリート造・地上5階地下1階という当時としては先進的な構造を採用しました。
現在は国登録有形文化財に指定されており、歴史的建築物としても高く評価されています。
建築様式と意匠:アール・ヌーヴォーの香り漂う空間
玄関にはアール・ヌーヴォー調の鋳物装飾が施され、上部にはテラコッタの窓台や窓まわりの装飾が並び、当時の美意識の高さを今に伝えます。地下にはかつてダンスホールも存在し、その華やかな時代の面影が今も空間に息づいています。

GHQ接収の危機と青山家による継承
戦後、GHQによる接収を免れた青山ビルは、昭和22年(1947年)に青山喜一氏が譲り受け、昭和26年には正式に返還されました。現在のツタは、青山氏が甲子園球場から株分けされた二代目のもの。また、ビルの裏庭にあるクスノキは、近隣の少彦名神社のご神木と兄弟木であると伝えられています。
文化芸能の拠点としての歴史
昭和時代には、劇団「笑いの王国」の事務所兼稽古場としても使われており、大村崑や芦屋雁之助らが若き日を過ごした場でもあります。文化・芸能の拠点としても知られ、多彩な人々がこの場所に関わってきました。
現在の青山ビル:北浜を象徴するレトロ複合施設
現在の青山ビルには、カフェやレストラン、オフィスなどが入居。レトロモダンな雰囲気の中で、静かな時間を過ごせるスポットとして人気を集めています。都心にいながら四季折々の自然を感じられる裏庭も魅力の一つです。
青山ビル
大阪市中央区伏見町2-2-6
TEL:06-6231-6397
https://www.aoyama-bld-osaka.co.jp/

大阪・北浜のレトロ建築群のなかでも、特にアールデコ様式が際立つ存在が「伏見ビル」。 大正12年(1923年)に建設され、現在は国の登録有形文化財に指定されています。北浜駅から徒歩すぐの好立地にあり、今もギャラリーやオフィス、飲食店などが入居する現役のテナントビルとして愛されています。
北浜を代表するアールデコ建築の魅力
伏見ビルの最大の特徴は、幾何学的な装飾を施したアールデコ様式の外観デザインです。とくに外壁に刻まれた十字型の装飾モチーフは、20世紀初頭の欧米建築を思わせる洗練された印象を放ちます。
アール・デコ(Art Déco)は、直線や円、ジグザグ模様など規則的な幾何学模様を多用することで知られ、ニューヨークのクライスラービルやエンパイア・ステート・ビルディングなどが代表作として知られています。伏見ビルもその潮流を受けた、日本における貴重なアールデコ建築といえるでしょう。
都市景観にも配慮、コーナー建築としての設計美
伏見ビルは、角地に建ち、建物の角を“隅丸”にデザインしているのが特徴です。この隅丸構造により、視覚的な圧迫感を軽減し、周囲の街並みに調和する造形美を実現しています。限られた敷地に機能美を追求する、当時の建築家たちの知恵が詰まった設計です。
建築当初はホテルとして開業した伏見ビルですが、昭和初期に所有者が変わり、現在のようなテナントビルへと姿を変えました。以降も大切に維持され、時代を超えて使い続けられていることが、その耐久性とデザインの普遍性を物語っています。

現在では、ギャラリーやレストラン、事務所など多様なテナントが入居し、歴史的建造物を活用した都市型ライフスタイルの一端を担っています。
奇跡的に残された近代建築の証
1927~1935年ごろの大阪市街の古地図(今昔マップ on the web)を見ると、当時すでに北浜一帯は宅地化が進んでおり、現在の街並みと大きく変わらない区割りが形成されていました。
その後、1945年の大阪大空襲では多くの木造建築が焼失したものの、伏見ビルや青山ビルを含む北浜・船場エリアの一部は奇跡的に被害を免れ、今なお大正・昭和初期の建築が残されています。

こうした背景からも、伏見ビルは北浜の歴史的景観を今に伝える貴重な都市遺産として、建築ファンや歴史散策を好む人々の間で根強い人気を誇っています。
伏見ビル
大阪府大阪市中央区伏見町2丁目2-3
TEL:06-6202-7093
※公式ホームページはありません
Googlemap:伏見ビル
大阪・北浜の道修町(どしょうまち)に鎮座する「少彦名神社(すくなひこなじんじゃ)」は、医薬の神を祀る全国でも稀有な神社として知られています。
北浜のレトロ建築「青山ビル」や「伏見ビル」のすぐ南側に位置し、都会の喧騒のなかにありながら、静謐な空気をたたえた歴史ある神社です。

医薬の神「神農さん」として親しまれる由緒ある神社
少彦名神社は、1780年(安永9年)に創建された医薬の総鎮守。
薬問屋が集まっていた大阪・道修町の地で、医薬・健康・商売繁盛の守護神として長く信仰されてきました。 特に、中国伝来の医薬の神「神農(しんのう)」を祀ることから、「神農さん」の愛称でも広く親しまれています。
神社の建物は、1910年(明治43年)に再建されたもので、本殿・幣殿・拝殿の3棟すべてが国の登録有形文化財に指定されています。110年以上の歴史を持ち、戦火を逃れて今も当時の姿をとどめる貴重な木造建築です。
谷崎潤一郎の名作『春琴抄』の舞台に
少彦名神社は、昭和の文豪・谷崎潤一郎が名作『春琴抄』を執筆する際の舞台としても知られています。
『春琴抄』(1933年)は、盲目の三味線師・春琴とその弟子・佐助の主従愛を描いた作品で、美と欲望、献身とマゾヒズムという谷崎文学の真髄が色濃く表れた代表作です。
谷崎は、関東大震災をきっかけに関西へ移住し、大正末期から昭和19年に熱海へ疎開するまで約20年を関西で過ごしました。その間、北浜・道修町界隈の空気に触れながら執筆活動を行い、『春琴抄』では少彦名神社周辺の風情が情緒的に描かれています。
谷崎と“松子夫人”の関係が投影された作品世界
『春琴抄』に登場する愛と執着の物語は、谷崎とその3番目の妻・松子夫人との関係を投影したとも言われています。
松子は、大阪・船場の老舗薬問屋「根津商店」の夫人として知られていました。芥川龍之介の紹介により谷崎と出会い、激しい恋愛関係に発展。結果的に双方が離婚し、後に正式に結婚するに至ったという逸話も有名です。
このような背景から、少彦名神社は単なる医薬の神社にとどまらず、近代文学の舞台としても注目されるスポットとなっています。
少彦名神社
大阪府大阪市中央区道修町2-1-8
TEL:06-6231-6958
https://www.sinnosan.jp/
北浜エリア(大阪市中央区)は、歴史ある街並みと利便性の高さから、賃貸ニーズの高いエリアとして注目されています。
特に、単身者やDINKs(共働き夫婦)を中心に、コンパクトで利便性に優れたマンションタイプの需要が顕著です。
北浜の賃貸物件はマンションが中心
同エリアの賃貸市場を見てみると、供給されている物件の多くがワンルームから1LDKまでのコンパクトなマンションタイプとなっており、ファミリー向けよりも単身者・少人数世帯向けの物件が主流です。
不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」によると、北浜駅周辺の検索ユーザーの間取りニーズは以下の通りです
- ワンルーム・1K・1DK:64.3%
- 1LDK・2K・2DK:25.6%
- 2LDK・3K・3DK:8.8%
このデータからも、ファミリー層よりもビジネスパーソンなどの単身者が主なターゲット層であることが読み取れます。
北浜駅周辺の家賃相場:利便性とコストのバランスが魅力
2025年5月時点のLIFULL HOME'S掲載情報によると、北浜駅周辺の平均家賃相場は以下の通りです
- ワンルーム・1K・1DK:平均8.66万円
- 2LDK:平均22.51万円
この家賃水準は、隣接するビジネス街であり文化施設も集積する淀屋橋エリア(平均約8.4万円)と比較してやや高いものの、大阪都心へのアクセスが良い天満橋駅や堺筋本町駅周辺の相場よりは若干割安となっています。
このように、北浜エリアは大阪の主要エリアへのアクセス利便性と、比較的抑えられた賃料というコストパフォーマンスのバランスが取れた、魅力的な住環境と言えるでしょう。
ビジネスパーソンの単身者需要が高く、駅に近い物件の希少性も相まって、北浜エリアは不動産投資の検討エリアとしても注目されています。
市場には、区分マンションから一棟ビル、築浅物件まで多様な収益物件が流通しており、エリア特性や物件の立地、築年数、管理状況などを適切に見極めることで、安定した収益が期待できる高利回り物件を取得するチャンスも存在します。
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「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。

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