アパート投資の収支変化を理解して堅実な投資を実現しよう | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
アパート投資の収支変化を理解して堅実な投資を実現しよう
2025-05-02

アパート投資は、稼働率が高ければすぐに現金収入を生むのが魅力の一つです。しかし、目先の現金収入がプラスだからといって油断は禁物です。アパート投資においては、しばしば年数経過とともに収支の悪化が進みます。
このリスクを理解したうえで、堅実な投資計画を立てることが大切です。今回の記事では、経年に伴うアパート投資の収支変化についてまとめました。長期での収支計画や出口戦略を検討するうえでの参考にしてください。
投資開始時点で現金収支が黒字でも、徐々に収支が悪化する原因としては、次のようなものがあげられます。
- 金利・元本比率の変化
- 賃料水準の低下
- 修繕コストの増大
- 減価償却の計上期間の終了
基本的には、年数が経過するほど現金収支の確保が難しくなります。初めて不動産投資にチャレンジする時には、この点をおさえておきましょう。
金利・元本比率の変化
元利均等返済でローンを借りていると、仮に返済金額が同額でも、年々金利支払いの割合が下がっていくのが一般的です。不動産経営が黒字の場合、金利支払額の部分は毎年経費計上が可能なため、年間の返済総額が同額の場合、金利負担額が多いほど見かけの利益=所得が下がり、所得税の減少要因となります。
逆に言えば、年々金利部分が低下することにより、経費計上できる金額が減少します。たとえば、借入金3,000万円、期間20年、金利1.8%の場合、金利部分と元本部分のバランスは次のように変化していきます。
返済額 | 元金部分 | 金利部分 | |
---|---|---|---|
初回 | 148,939 | 103,939 | 45,000 |
1 | 148,939 | 105,667 | 43,272 |
3 | 148,939 | 109,538 | 39,401 |
5 | 148,939 | 113,550 | 35,389 |
10 | 148,939 | 124,235 | 24,704 |
20 | 149,031 | 148,808 | 223 |
その結果税金支払額が増加するため、現金収支の悪化要因となる点に注意が必要です。
賃料水準の低下
アパートの年数が経過すると、基本的に賃料は低下傾向となります。立地や利便性、間取りなど他の条件が同じであれば、基本的には築浅物件の方が需要が高くなります。築古物件は、賃料を引き下げることにより、需要を確保しなければなりません。
リノベーションや大胆なリフォームで、賃料を回復させる方法もないわけではありませんが、基本的には賃料が低下する想定で計画を立てた方が良いでしょう。月々の賃料が下がっても、他のコストが減るわけではないので、年々収支が悪化する可能性が高いと考えられます。
修繕コストの増大
修繕コストの増大も、収支の悪化要因の一つです。アパートは10年〜15年程度を目処に、塗装の塗り直しや建物設備の交換・補修など大規模な修繕を行うのが一般的です。この時には数100万円程度の出費が発生するため、一気に手元の資金が減少する要因となります。

築古物件の方が、日々の修繕やメンテナンスコストが増大する可能性が高いと言えます。古ければ、それだけ細かい設備の不具合や、建物の劣化への対処などが発生する頻度が高くなるからです。経年とともに修繕にかかるコストの増大も、収支を徐々に圧迫する要因となります。
減価償却の計上期間の終了
減価償却期間が終了すると、その年を境に大幅な収支悪化要因となります。減価償却費とは、保有する資産の帳簿上の価値を年々減少させる会計処理です。建物のように、経年劣化が想定される資産に適用されます。
建物の場合、その構造によって「法定耐用年数」が決まっています。減価償却できる期間は、最長でも耐用年数の間だけで、中古物件を購入した場合には、以下の式で耐用年数を計算し、その期間にわたって減価償却をします。
(法定耐用年数 ー 資産の経過年数)+ 資産の経過年数×20%(端数は切り捨て)
減価償却費は、現金を支払うことなく経費計上ができる費用です。経費計上により所得税・住民税が減るため、不動産投資においては節税効果を生む存在とみなされます。しかし、減価償却の計上期間が終了すると、現金収支は改善しないのに、一気に帳簿上の利益が増大します。その結果として、所得税の負担が増えて現金収支が大きく悪化します。
新築アパートに投資したときの、一般的な収支の傾向を、投資年数ごとにまとめてみました。今後を見通したうえで、余裕を持って資金を用意しておくときの参考にしてください。
投資開始〜築10年程度
この時期は、最も現金収支が悪化しにくい時期です。築浅で家賃は高めですし、減価償却費も計上できます。返済額に占める金利負担の割合が高いため、金利支払いの経費計上額も多くなるでしょう。
裏を返すと、この時期にすでに現金収支が不十分な物件は、投資期間全体で黒字を確保するのが困難な物件です。初心者の場合は、手を出さないのが得策といえます。仮に投資する場合には、早めに売却を検討する必要がある点に注意しましょう。
築10年〜築22年程度
この時期には外壁の再塗装や大規模な設備交換など、コストのかかる修繕を実施する必要があります。金利負担額が減少して経費計上の額が年々減る中で、一気にひと月当たりの現金収入が減り始めます。
特に、数100万円かかる大規模修繕をしたときに、コストをその後の収入で回収できるかどうかを、慎重にみておく必要があります。回収に時間がかかる場合は、大規模修繕前に売却してしまうのも一つの選択肢です。
築22年〜築35年
木造アパートの場合、この時期に2度目の大幅な収支悪化局面を迎えます。木造の物件は、減価償却期間が22年と定められています。この期間を過ぎると減価償却費が計上できなくなり、現金収入は増えないのに決算が黒字化し、所得税の負担が大きく増大します。
実際、多くの投資家がこのタイミングで現金収支が赤字化します。かつ、その後も金利支払い額が減っていくため、一般にこの時期の収支改善は困難です。
投資家は、早々に物件を売却して投資期間全体の黒字を確定させるか、ローン完済を目指すかの判断を迫られます。仮に完済を目指す場合は、今後の赤字負担に備えて潤沢な現金を確保しておかなければなりません。
これまでのローン返済により残債が減っていて、ある程度売値を下げても投資全体の黒字を確保できるケースが多いため、現実には売却を選択する方が多いといえます。
ローン完済後
ローン完済を迎えると、ローン支払いが一切なくなるため、現金収支は飛躍的に改善します。確定申告で申告した所得に見合うだけの金額を、現金として受け取れるようになります。
もし、ローン完済を目指して投資する場合には、老後に差し掛かる直前までに完済を迎えるのが望ましいと言えるでしょう。そうすれば、潤沢な家賃収入が年金収入を補って、ゆとりのある生活が実現します。
投資期間が長くなるにつれて、現金収支が悪化する可能性が高いと想定して、対策を取っておくと良いでしょう。
- 投資期間全体の現金収支をシミュレーションしておく
- 現金を潤沢に確保しておく
- 現金収支が赤字になるタイミングを認識しておく
- 売却タイミング・ターゲット価格を設定しておく
投資期間全体の現金収支をシミュレーションしておく
投資期間全体で、現金収支をシミュレーションするのが第一です。投資開始当初の潤沢な現金収入に油断してはいけません。かといって、投資期間の後半で赤字化する投資を、直ちに投資の失敗と決めつけるのも早計です。

自分が考える投資期間全体の現金収支を合計して、どのような結果になるかシミュレーションしましょう。将来赤字化するリスクがあっても、投資期間全体で満足のいく収入を得られるなら、投資する価値はあるといえます。売却するタイミングを検討しておくのも大切です。赤字化する直前に、残債以上の価格で処分できれば、現金の流出を防げます。
現金を潤沢に確保しておく
投資期間の経過につれて、支出が増えやすいことを前提として、現金を潤沢に確保しておきましょう。投資期間が後半になるほど、空室や賃料の引き下げなど、少しの変化が赤字化に陥るきっかけとなります。
当初の計画を下回るリスクも加味したうえで、経営を継続できるように十分な現金を保有しましょう。投資期間の当初は現金収支がプラスになりやすいですが、この時期に現金を確保して、将来の支出に備えるのが大切です。
現金収支が赤字になるタイミングを認識しておく
現金収支が赤字になるタイミングを、投資を始める前から予測しておきましょう。投資期間を通じて黒字を維持し続けるのが理想ですが、現実にはなかなか思うようにいきません。
将来赤字が想定されるとしても、投資期間を通じて黒字となる見込みがたつのであれば、投資に一定の合理性があります。ただし、そのときには、赤字になる時期を理解したうえで投資を始めましょう。予測を立てることで、赤字に耐えるための現金を貯めておく、赤字化する前に売却してしまうなど、適切な対策を取ることが可能です。
売却タイミング・ターゲット価格を設定しておく
購入時に、売却タイミングや価格のイメージを持っておきましょう。ローン完済までの赤字に耐えるのが困難なら、売却を検討するのが得策です。不動産投資においては、基本的に年数が経過するほど残債が減り、低い価格で売却しても投資期間全体の収支がプラスとなります。

赤字化したあとにローン完済まで持ち切るのが難しいと言う場合は、何年後にどのくらいの価格で売却すれば良いか、そしてその価格での売却は可能かを確認したうえで、投資判断を下しましょう。
すぐに現金収入が生まれる点に魅力を感じて、アパート投資に乗り出す方は少なくありません。特に稼働率の高い物件では、投資を始めてすぐに現金収入を得られる点が魅力的です。しかし、今回紹介したように、不動産投資においては年々収支の維持が難しくなるという点をおさえておきましょう。
収支が厳しくなる時期を予測しておくことで、堅実な不動産投資を実現するための対策を取ることが可能です。今回の記事を参考にしつつ、長期的な見通しを立てた上で投資判断をしましょう。

「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。

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