トランプ氏が当選! 今後の米政策のポイントと今後の市場見通しは? | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
トランプ氏が当選! 今後の米政策のポイントと今後の市場見通しは?
2024-11-19
2024年の米国大統領選挙は、実施前は激戦が予測されていましたが、結果的には早々とトランプ氏の勝利となりました。今回は選挙結果のおさらいと、トランプ大統領の政策のポイント、それによって想定される市場の動きについてまとめました。
2024年11月10日時点で、すでにトランプ候補が310人を超える選挙人を確保していることから、トランプ候補の当選が確定しています。11月9日にアリゾナ州の選挙人をトランプ氏が獲得することとなり、7つの激戦州全てを独占する形となりました。
選挙結果を示す帯グラフでは少しわかりにくいですが、実質的には「共和党・トランプ候補の圧勝」とみられています。アメリカの多くの州は、歴史的に多数派が決まっていて、基本的にはあまり優勢となる政党が変わりません。そのなかで「swing state(揺れる州)」、日本では「激戦州」と呼ばれる7つの州が勝敗に大きな影響をもちます。
今回の選挙では、共和党が7つの激戦州を総取りしたため、グラフの見た目以上に共和党の「圧勝」といえるのです。
トランプ氏の経済政策の軸は国内の減税と関税の増税にあります。現状は減税の方が規模が大きいと予想されています。「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」の試算によると、歳入増と歳入減/歳出増のインパクトをネットすると、10年間で総額約7.75兆米ドルの収支悪化要因となる見込みです。
減税については、2025年末に失効する「トランプ減税」と呼ばれる法人税や所得税などの減税の延長、残業代および社会保障給付への免税などを軸としています。新規の減税だけで、5.1兆ドルほどのインパクトがあると試算されています。
トランプ氏が足元キャッチフレーズとしている「MAGA(Make America Great Again)」に関連する政策も、早期に実行に移される見通しです。MAGAは、いわゆる保護主義的な政策で、2016年以降の第一次トランプ政権の流れを踏襲するものといえます。
関税では「対中関税60%」と「それ以外の全輸入品に対する一律10%関税」を主要しています。第一次政権時代も米中貿易摩擦がしばしば市場の懸念材料となりましたが、今回も対中政策へは強硬な姿勢で臨む見通しです。
移民政策として「合法・不法を問わない移民流入の抑制」を推し進める考えです。労働者階級では、移民に職を奪われることによる失業を懸念する意見も見られます。トランプ氏の政策は、移民に奪われた仕事を国民に戻す政策であるとして重要視してます。
政策から想定される経済へのインパクト
市場の見通しを持つうえでは、大統領就任後の政策における経済へのインパクトをとらえるのが有効です。ここまで紹介した政策を公約通り実現すると、インフレ+景気悪化のスタグフレーションリスクが高まると懸念されています。
関税の引き上げは国内の物価高騰をもたらし、さらに移民の制限は製造業や建設業、サービス業などの雇用ひっ迫をもたらします。そのため、物価高騰と賃金の上昇が並走して、インフレが加速しやすい状況となるでしょう。
景気へのインパクトは、特に移民政策の強度によって変わってくると考えられます。まず、減税は景気にプラスで関税は明らかにマイナスです。もし、トランプ氏が国内経済に配慮して移民政策をマイルドに行えば、トータルで見ると景気刺激の効果のほうが大きく、当面は景気拡大が継続する可能性があります。
仮に移民政策を強力に推し進めた場合は、インフレが加速しながら景気が悪くなる「スタグフレーション」のリスクが高まります。
財政へのインパクトにも注意が必要です。トランプ氏の政策は米国の財政悪化をもたらします。仮に、米国債の信用悪化は市場金利の上昇につながる可能性があります。そのため、長期でみれば、米国内の金利上昇が経済への悪材料となると懸念されます。
総合すると、移民政策が厳格に進む場合は比較的短期で景気が悪化方向に変わる、政策がマイルドで景気へのインパクトが限定的だった場合は、当面は景気が加速するものの、政権の後半以降で徐々に財政悪化の影響が顕在してくると予測されます。
米国大統領選挙後の金融市場の動きを、短期・中長期、そして日本へのインパクトに分けて見ていきましょう。
短期的には米国株高・円安・金利上昇
短期で見ると米国大統領選挙後は米国株高・円安・金利上昇が想定されます。前回の2016年のトランプ大統領就任時も、2016年内~2017年にかけてはこれらの市場の動きが進行しました。
今回も短期的には、トランプ氏が公約に掲げる減税や移民抑制の好影響に対する期待感から、景気拡大を想定した市場の値動きとなる見込みです。
移民抑制については、実際には経済に対してプラス・マイナスのどちらに転がるかは不透明なのです。しかし、アメリカの労働者階級においては移民が雇用を悪化させているとの考えを持つ方も多く、短期的には景気にプラスの効果があると期待される可能性が高いと考えられます。
長期的には米国株安・円高・金利上昇
年単位で見通すと、徐々に景気への負のインパクトが顕在化し始めて、株は頭打ち、やがて反落に向かうと懸念されます。輸入関税の引き上げにともなう物価の高騰と雇用のひっ迫が同時並行で進むことによるインフレが加速し、徐々に企業業績に悪影響を及ぼすでしょう。
今のところFRBは利下げを進める意向ですが、インフレ加速にともない利下げを止め、利上げに転換せざるを得なくなります。金利の上昇による資金調達コストの増大、投融資の抑制により、最終的には景気悪化が顕在化する見込みです。
景気悪化が本格化するタイミングは、先ほど紹介した通り、主に移民政策の強度に依存すると考えられます。
FRBが利下げ意向を示すなかで、インフレ加速が顕在化すれば、これはドル安要因となります。さらに、減税などにより米国の財政が悪化すれば、一段と通貨安要因となるでしょう。短期的に見られる円安は長続きせず、長期でみると円高トレンドに移行すると考えられます。
日本の市場への影響は?
日本株と為替については、以上の米国の動きによる一定の波及効果がありそうです。為替については一旦円安が進行したのち円高に移行すると考えられます。
具体的な転換タイミングを現時点で見通すのは難しいですが、前回のトランプ政権時の例を参考にすると、2017年初の就任式の頃まで円安が進んだことから、このあたりが一定意識されそうです。就任前後には政策に対するより具体的な言及がなされると考えられ、その内容が2025年以降の為替の方向性に大きなインパクトをもたらすでしょう。
なお、同時期に日本では日本銀行による利上げが進行します。2025年以降の日本銀行の金融政策の方向性も、為替にインパクトを与えそうです。もし、さらなる利上げの意向があるようであれば、それは円高圧力をもたらします。
株については、方向性としては米国株に追随すると考えられます。すなわち短期的に上昇して、やがて上値が重くなる形です。
独自のファクターでいえば、トランプ氏が公約に掲げる「関税10%引き上げ」が杓子定規に行われるのか、経済への打撃を意識して一定の配慮があるのかがポイントとなります。日本の輸出産業へのダメージが少なければ、日本株にとって追い風要因となるでしょう。
金利については、米国のインフレの波及効果次第となります。今回起こるインフレ要因のうち、関税の引き上げは米国外への影響が限定的です。雇用ひっ迫は海外にも影響をもたらす可能性がありますが、コロナ・ショック後のインフレほどはグローバル経済への波及効果を持たない可能性があります。
その意味では、米国のインフレが日本の金利にもたらす影響は限定的であると考えられます。ただし、この間に日本銀行が利上げを進めるようであれば、むしろそちらの要因により金利上昇が進むでしょう。
今回紹介したように、トランプ氏の政策は米国社会や経済に大きなインパクトをもたらす可能性があります。長期的には財政悪化が懸念材料となりますが、直近数年の間において、政策が景気を刺激するのか、悪化の火種となるのか判断しづらい状況です。
このように方向性が不透明な状況が続くと懸念される中では、米国や海外投資、そして海外の市場変動の影響を受けにくい投資を積極化するのも一つの考え方です。たとえば、日本国内での不動産への投資は有効な選択肢の一つとなります。
日本の不動産投資は海外市場との関連性が薄いうえ、国内にインフレが波及してきたときには、価格や賃料の上昇の恩恵を受けられる可能性があります。為替の影響も直接的には受けません。不確実性の高い市場環境を不安視している方は、ぜひ不動産投資の積極化を考えてみましょう。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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