不動産価格は上昇傾向! それでも投資手控えが得策とは限らない理由 | 全国の不動産投資・収益物件|株式会社リタ不動産
不動産価格は上昇傾向! それでも投資手控えが得策とは限らない理由
2024-09-19
不動産価格は、下の図の通り過去10年以上にわたって上昇傾向が続いています。足元はインフレの加速も背景に、上昇ペースはさらに加速しています。
2009年末を基準として、2024年2月時点で全国で+39%、首都圏を含む南関東圏では+50%上昇しています。これをみると「いまは割高だから不動産に手を出さない方がよい」と考えてしまう投資家もいるでしょう。
しかし、ここまで上昇が続いたからといって、ただちに投資を手控える判断が適切とは限りません。今回は、不動産価格の上昇の背景を簡単に紹介したうえで、投資判断のポイントについてまとめました。
近年の不動産価格の上昇は、大きく分けて次の3つの要因が組み合わさって起きています。
・日銀の金融緩和による投資の促進
・円安による海外投資需要の促進
・インフレ・建設コストの高騰
それぞれの要因について簡単におさらいしておきましょう。
日銀の金融緩和による投資の促進
先ほど掲載したグラフを改めて見ると、2013年ごろから価格上昇が本格化している様子がうかがえます。この時期は、安倍首相のもと敢行されたいわゆる「アベノミクス」の重要施策の一つである「日銀による金融緩和」が始まった頃です。当時、すでに日本の政策金利は0%近傍まで下がっていましたが、国債の積極的な買い入れなどの施策を実行して、金融緩和を強化しました。
国債の買い入れは、金融機関が持つ国債を日銀が買い取り、代わりに資金供給を受けられる政策です。そのため、銀行をはじめとした金融機関は潤沢な資金を抱えるようになり、積極的な貸出が可能になります。
その結果として、借入金利が一段と下がり、より多くの資金調達が可能になるなどして、不動産をはじめとしたさまざまな資産や事業への投資が促進されるのです。不動産は、個人・企業問わず借入を活用して投資する方が多いため、金利低下や銀行の融資姿勢の軟化は、投資需要の拡大や価格上昇につながります。
円安による海外投資需要の促進
円安が進んでいると、海外投資家が投資しやすくなるため、不動産需要の拡大につながります。2009年以降の米ドル円の為替推移をみると、次のとおり近年急速に円安が進んでいます。
出所:日本銀行、1999年末~2024年6月末(月次データ)
※為替相場(東京インターバンク相場)(月次)東京市場 ドル・円 スポット 17時時点/月末
円安が進むと、海外投資家にとっては日本の資産へ割安な価格で投資できます。特に2022年ごろまで、投資の加速は顕著でした。2023年はやや落ち込んでいるものの、2019年以前と比べると、なおも旺盛な投資需要が維持されています。
(参考:日本経済新聞「冷える海外勢の不動産投資 5年ぶり低さ、金利上昇にらむ」)
インフレ・建設コストの高騰
日本では2021年ごろからインフレが加速傾向です。過去の日本はデフレ・低インフレに悩まされる時期が続きましたが、新型コロナの感染拡大から経済が回復する中で、状況が変わりつつあります。
2022年ごろまでは、海外のインフレが加速した影響や円安の影響による「一時的なインフレ」との見方もありました。しかし、当時の見方に反して2023年以降もインフレのモメンタムは継続しています。賃金上昇の動きも散見される中で、今では持続的なインフレが実現しつつあるとの見方が強まっています。
そのような中、建設業界では人件費や建設コストの高騰が課題となっています。以下は、建設資材の物価を指数化した指標です。
建設資材物価の指数(東京・総合)
2018年~2024年。2024年は1-4月の平均値。2015年=100として指数化したもの。
出所:建設物価調査会
2021年ごろから、建設資材の物価が高騰していることがわかります。こうした価格上昇は、まず新築価格に転嫁されて不動産価格の上昇をもたらします。
新築価格が上昇すれば、もともと新築を検討していた層の一部が中古に流れるため、中古不動産の需要を押し上げて、やがて価格上昇をもたらすと考えられます。すなわち、建設コストの高騰は、不動産市場全体の価格上昇要因の一つとなり得るのです。
不動産が高騰しているというニュースは、近年盛んに見られるようになりましたが、高騰=割高と判断して「今すぐ投資しない方がよい」と判断するのが得策とは限りません。個人でローンを活用して不動産投資にチャレンジする場合、次のようなポイントをふまえて投資を検討する必要があります。
・市場の見通し
・ローン金利や融資姿勢の見通し
・社会情勢の見通し
・自分の年齢や収入の見通し
市場の見通し
まず第一に、市場動向の見通しに目を向ける必要があります。今回の記事のなかでは不動産価格や為替動向を紹介しましたが、こうした市況の情報をチェックしておきましょう。
不動産価格については、全国の指数だけでなく、首都圏や関西など自分が投資を予定している地域の動向もチェックしておく必要があります。個人の場合は情報ソースが限られるのがネックですが、賃料動向や利回りなどは、ポータルサイトや業者のレポートを活用して情報収集をしてみてください。
プロの投資家で物件を頻繁に売買する可能性があるなら、不動産価格の見通しを持つことが特に重要です。一方で、個人の不動産投資では、長期で安定した賃料収入を得る投資スタイルが一般的です。価格指数だけでなく、賃料水準の安定性や利回りにも着目しましょう。
ここまでの不動産価格の動きを見ると「割高」な印象を持ってしまいがちです。しかし、2024年7月時点では円安やインフレが維持されていることもあり、不動産価格の反転が近い将来に実現するとは限りません。今の価格水準が割高とは、断言できないでしょう。
ローン金利や融資姿勢の見通し
不動産価格だけでなく、ローン金利・金融機関の融資姿勢にも目を向けましょう。いま、近い将来不動産価格のトレンド転換をもたらす可能性がある要因の一つとして「金融政策の変化」が挙げられています。
インフレが加速するなかで、日銀は2024年3月に政策金利をマイナスからゼロに引き上げ、さらに資産買い入れ政策の見直しも検討しています。これらは金融緩和の「縮小」にあたるため、不動産価格の上昇を抑える要因となり得る一方で、金利上昇や金融機関の融資姿勢の慎重化にもつながります。
すなわち、政策変化による不動産価格の低下を待った結果、融資を受けづらくなったり、返済負担が増大したりするリスクがあるのです。
個人がローンを活用して不動産を購入する場合、融資の限度額が物件選択の制約になります。。価格下落を待っているうちに融資が借りづらくなり、かえって不動産投資にチャレンジしづらくなるリスクもあるでしょう。
ローン金利や金融機関のスタンスを踏まえると、不動産価格の下落を待つのが得策とは限らない場合もあるのです。
社会情勢の見通し
長期で投資するのであれば、日本の人口動態など社会情勢の見通しも重要な判断基準です。日本は少子高齢化が進んでいて、今後も人口が減少していくと見込まれます。すなわち、投資を後ろ倒しするほど人口減少の影響を大いに受ける恐れがあるのです。
人口減少が加速する前に早めに投資を始めるというのも、堅実な不動産投資を実現する一つの考え方といえるでしょう。タイミングだけでなく、人口減少の進行が遅い地域、経済が発展していて当面若年層の流入が期待できる地域を選ぶなど、立地選びも重要になります。
自分の年齢や収入の見通し
個人で不動産投資用のローンを借りる場合、自身の属性にも目を向ける必要があります。すでに不動産経営で充分な実績があると、既存の所有物件の収益性を元にローン審査が行われる場合もあります。
しかし、初めての不動産投資か、所有物件が1~2棟程度の段階では、個人の属性が審査における重要な判断材料となりがちです。たとえば「年齢」はローンの最大借入期間を判断する要素の一つとなります。
投資を待っているうちに加齢が進めば、長期ローンのハードルが高くリスクがあります。ローンの返済期間が短いと、月々の借入額が増大して収益確保が難しくなるでしょう。
いざというときの返済リスクを抑えるうえで、本業の年収も審査の判断材料となります。年収が上がり続ける見込みであれば問題ありませんが、近い将来出向や役職定年などで年収減のリスクがあれば、そのまえに不動産投資を始めるのが得策な場合もあります。
長期の借入期間を希望する方や、近い将来に本業の年収低下が懸念される方にとっては、いたずらに割安なタイミングを待つという戦略が得策とは限らないのです。
不動産価格の上昇が続くと、つい投資を手控えるのが得策と考えがちです。しかし、近い将来下落に転じる確信が持てない中では、必ずしも割安なタイミングを待つのが得策とはいえません。不動産価格がさらに上昇し続ける可能性もあります。
また、価格下落の原因が金融緩和の縮小→金利上昇だった場合、不動産価格の低下と同時に融資環境の悪化が起こるリスクもあります。そうなると、ローン借入のハードルが上がって、購入できる物件の条件が厳しくなる可能性もあるでしょう。
個人の場合、ローンの借入期間や条件は借り手の属性に大きく左右されます。現在の年齢や年収などが審査に有利に働くのであれば、早めに投資を開始するのも一つの考え方といえるでしょう。不動産価格だけでなく、ローンの動向や自身の状況などをふまえて、投資タイミングを検討するのが得策です。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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