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不動産投資のローンとFX・株の信用取引の違いは? レバレッジ効果の仕組みを解説
2024-08-01
不動産は、しばしば「レバレッジ」を活用して投資します。このレバレッジ効果は不動産投資のほかではFXや株の信用取引でも活用できる仕組みです。
不動産でのレバレッジ効果と、FX・株のレバレッジでは、リスクに与える影響に違いがあります。今回はレバレッジ効果の仕組みと、それぞれのレバレッジの違いについてまとめました。
レバレッジとは、小さな力で重いものを動かす「てこ」を英語であらわした表現です。投資においてレバレッジ効果というと、少ない金額で大きな金額の資産へ投資するのと同じ効果を得ることを意味します。
レバレッジ効果がうまれる仕組み
レバレッジ効果が生じるメカニズムはいくつかのパターンがあります。たとえば、不動産投資の場合は、ローン借り入れを活用して自己資金よりも大きな規模の物件に投資することで効果を得ます。
FXや株の信用取引では、実現した損益金額の部分だけ精算する「差金決済」という仕組みを活用してレバレッジ効果を実現しています。
レバレッジ効果の大きさは、しばしば以下の式で「倍」で表されます。
レバレッジ(倍)=投資の資産規模(もしくはポジション量)÷投入した自己資金額
たとえば、10万円の証拠金を差入れて100万円相当のポジションを保有していれば、レバレッジは10倍です。
レバレッジ効果のメリット
レバレッジ効果の最大のメリットは、少額で大きな利益を追求できることにあります。
たとえば、自己資金1,000万円で一区画あたり1,000万円、利回り6%の区分マンションを購入するケースを考えてみましょう。①全額自己資金で一区画②ローンを借りて二区画購入するとします。なお、②で借りるローンは30年、ローン金利は2%の固定とします。
①はレバレッジ効果がない状態、②はレバレッジ2倍です。ここでは簡単化のために、諸費用や税金がないものとして考えましょう。1,000万円の利回り6%は60万円なので、①のケースでは年間60万円の賃料収入が得られます。
一方で②は2区画を購入しているので、年間の賃料収入が120万円です。②のケースではローンを借りているので、借入の返済が生じます。前提とした条件における年間の返済額は44万円となります。従って約76万円が投資家の手元に入ってきます。
賃料収入 | ローン返済 | 年間収支 | |
---|---|---|---|
①自己資金のみ レバレッジ1倍 |
60万円 | なし | 60万円 |
②自己資金+借入 レバレッジ2倍 |
120万円 | ▲44万円 | 76万円 |
このようにレバレッジ効果をうまく活用すれば、小さい資金で大きな収益の獲得が期待できます。
レバレッジ効果のデメリット
投資方法によっては、レバレッジ効果は損失を拡大させる原因ともなります。たとえば、FXで証拠金を100万円預けて、①100万円分ドル買い円売り②200万円分ドル買い円売りをそれぞれ行った場合を考えてみましょう。
この時は、円安になれば利益が発生し、円高になれば損失が発生します。(スワップ金利による収入や手数料等は簡単化のため無視します)今、1ドル=100円で取引を始めて、1ドル=99円の円高になった時に決済したとします。
この時①と②のケースの損失額は次の通りです。
取引開始時の価値 (1ドル=100円) |
損失確定時の価値 (1ドル=99円) |
損失額 | |
---|---|---|---|
① 100万円分取引 | 100万円→10,000ドル | 99万円(10,000ドル×99円) | 1万円 |
② 200万円分取引 | 200万円→20,000ドル | 198万円(20,000ドル×99円) | 2万円 |
このように、レバレッジを活用した取引は損失額を拡大させるリスクがあります。ハイリスクな取引となる場合もあるので、注意が必要です。
不動産投資とFX、株の信用取引はいずれもレバレッジを活用できますが、仕組みやリスクの高さはそれぞれ異なります。
不動産投資 | FX | 株の信用取引 | |
---|---|---|---|
レバレッジ活用の方法 | ローン借入 | 証拠金額を上回る規模の取引 | 証拠金額を上回る規模の取引 |
主な投資先 | 不動産 | 為替 | 株式 |
レバレッジの最大値 | 5~10倍以内が適切だが、ローン審査が通れば100倍程度のケースも | ~25倍(国内業者の場合) | ~3.3倍 |
レバレッジが同程度な場合の相対的なリスク | 低い | 中程度 | 高い |
それぞれのレバレッジ効果について詳しく見ていきましょう。
不動産投資のレバレッジ効果
不動産投資のレバレッジ効果は、ローンを活用することで生じます。不動産物件は個人が購入するには高額な資産が多いため、しばしばローン借入を活用します。ローンと自己資金を組み合わせることにより、より大きな規模の資産を購入可能になるのです。
不動産のレバレッジ倍率は、自己資金とローンの比率によって決まります。たとえば5,000万円の物件を自己資金1,000万円、ローン4,000万円で購入すれば、自己資金額1,000万円に対して投資先の資産は5,000万円なので、レバレッジは5倍です。
ローン審査に通りさえすれば、かなり高いレバレッジ倍率も実現可能です。近年は、区分マンション投資をほとんどフルローンで手がける方もいます。この場合、レバレッジは100倍近くになる可能性もあるでしょう。
不動産投資では、毎月の賃料収入が主たる収益源で、不動産価格は為替や株価と比べると値動きが安定しています。レバレッジを高めると大きな規模の物件を保有できる分、賃料収入の増加が期待できます。価格変動に依存しない取引であれば、レバレッジを高めたからと言って、直ちに損失リスクが大きく上昇するとは限りません。
一方で、ローンの比率が高いと毎月の返済負担が増大します。投資家の手元に残るキャッシュフローは、おおまかに以下の式で決まります。
キャッシュフロー=賃料収入 - ローン返済 - その他諸費用・税金
ローン返済額が大きいと、それだけキャッシュフローが少なくなります。極端にレバレッジ倍率が高くローン返済が賃料収入を上回れば、毎月継続して赤字化するリスクもあります。毎月安定した現金収入を得たいなら、過度にレバレッジを高めないようにしましょう。
FXのレバレッジ効果
FXでは、証拠金を預けたうえで、その資金を担保に取引を行います。実際に通貨交換を行わずに、実現した損益のみを決済する「差金決済」という仕組みを導入することにより、証拠金よりも大きな金額での取引を可能とします。国内のFX業者の場合、金融庁の規制により最大レバレッジは25倍までと決められています。
FXの損益は、大きく分けて「為替損益」と「スワップ金利」によって決まります。為替損益は、ポジションを保有し始めた時と解消する時の為替変動によって発生するものです。
基本的に買いポジションの通貨が上昇(売りポジションの通貨が下落)すれば、収益となり、その逆が損失を生みます。たとえば、ドル買い、円売りの取引をした人は円安ならプラス、円高はマイナスです。
もう一つのスワップ金利ですが、これはポジションを持ち続けていると日々発生する金利収益もしくは損失です。高金利の通貨を買い低金利の通貨を売ると、日ごとに金利収益が入ります(その逆の場合は日々損失が発生します)。
2国間の金利差は大きく変化するものではないため、スワップ金利は為替損益よりも一般に安定しています。レバレッジを高めると、スワップ金利による収益も大きくなる仕組みです。
為替損益がレバレッジ倍率を高めるほど大きくなるため、レバレッジが高いほどハイリスク・ハイリターンな取引となります。FXでは、損失が大きくなると当初差し入れた金額以上の損失が発生するリスクがあります(「追証」として追加の証拠金差し入れを求められます)。そのため、リスクの取り過ぎに注意が必要です。
株の信用取引のレバレッジ効果
株の信用取引も、証拠金を差し入れて売買するものです。さらに、差金決済によって証拠金額よりも大きな取引を可能としている点も、FXと類似しています。
株式は、通常の取引においても相対的にリスクの高い投資先です。そこにレバレッジ効果を持たせると、とりわけハイリスク・ハイリターンな取引となる可能性があります。レバレッジを高めすぎると急激にリスクが高まるおそれがあるため、日本での株の信用取引では、一般にレバレッジは3.3倍までに制限されています。
株の信用取引も、相場次第で証拠金額を上回る損失が発生するリスクがあります。損失を出した時には、FXと同様に追証を差し入れなければなりません。
不動産投資では、借入を活用することによりレバレッジ効果を得ることが可能です。個人の不動産投資では、不動産価格の変動に過度に依存せず、安定した賃料収入を毎月得るスキームが一般的であるため、レバレッジを高めたからと言って直ちにリスクが上昇するとは限りません。
ただし、借入比率が高すぎると、返済の負担が重くなって収益性が低下するので注意しましょう。不動産投資、FX、株の信用取引はいずれもレバレッジ効果を得られますが、レバレッジの仕組みやレバレッジを高めることによる影響にはそれぞれ違いがあります。FXや株の信用取引は、レバレッジを高めるとリスクが大きくなる点に注意が必要です。
自分が許容できるリスクや収益性を踏まえつつ、自己資金より大きな規模の投資を実行して、効率よく収益を獲得していきましょう。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
「お客さまの利益のために努力することが、自らの利益につながる」という考え方ですので、押し売りをはじめとしたこちら都合のアプローチは一切行っていません。
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